スマホ市場前年割れ 登場以来初 第3四半期
香港の調査会社カウンターポイント・テクノロジー・マーケットリサーチが公表した統計によると、第3四半期(7〜9月)のインドネシアにおけるスマートフォン(スマホ)市場は出荷台数ベースで前年同期と比べ7%縮小し、スマホが市場に登場以来初めて前年の水準を下回った。
スマホとフィーチャーフォンなど従来の携帯電話を合わせた全体の市場は前年同期と比べ18%減った。
携帯電話全体のシェアはサムスンが19%を占め、第2四半期(4〜6月)で首位だった地場エバーコスから首位を奪還した。2位のエバーコスは14.4%を占めた。
スマホ市場ではサムスンが27.1%でシェアを拡大、2位のエバーコスは12.9%だった。
携帯電話各社は当初の年間売り上げ目標を達成できずに苦戦している。業界首位のサムスン・エレクトロニクス・インドネシアのリー・カン副社長は地元メディアに「シェアは伸びたが売り上げは減っている」と語った。
携帯電話販売拠点の中央ジャカルタ・ITCロクシマスの販売代理店で働いているユディさん(24)は「3年前は開店と同時に店の前に客が並ぶ光景が珍しくなかった。1日平均50台売れていたが、今は10台前後」と語った。同店では150万ルピア前後のスマホが売れ筋だが、ルピア安で一部携帯電話が値上がりしているほか、オンラインで購入する人も増え、店に足を運ぶ人が減っていると肩を落とした。
ITCロクシマスの1階では、中国メーカーのオッポやビーボ(Vivo)の広告が目立ち、1階の主要販売スペースの大部分を確保し攻勢をかける。カウンター・ポイントの調査によると、中国メーカーによるシェアが21%を占め、存在感を増している。(佐藤拓也)