生徒ら、日本技術に感動 KIIC工場見学会、2年続き 自治会が開催 「将来働くきっかけに」
西ジャワ州カラワンのカラワン工業団地(KIIC)自治会は16日、近隣の中学校2校の1年生を招いて工場見学会を開いた。同団地に入居する日系などの製造業12社が受け入れ、地元の生徒636人が参加し、高度な日本の技術に見入っていた。見学会は5年ぶりに2014年に実施し、2年連続の開催となった。自治会は地元の子どもたちが将来、同工業団地で働くことを期待している。
入居企業でつくるKIIC自治会は、社会貢献活動の一環として、若い世代にものづくりに興味を持ってもらおうと工場見学会を09年に初めて実施。今年で3回目となる。初回の協力企業数は5社だったが、今回は味の素やダイハツ、大日本印刷、花王、河合楽器、P&G、シャープ、住友建機、トヨタ、ユニ・チャーム、ヤマハ発動機2社の現地法人計12社がそれぞれ生徒を受け入れた。
このうち、河合楽器の現法でピアノを生産するカワイ・インドネシアでは、生徒46人が見学した。ピアノの土台となる「響板」に手作業でピアノ線を張る作業や、約5分間で鍵盤を3千回たたいて耐久性を確かめる「試弾機」に熱心に見入っていた。
工程の後半では、生徒たちがピアノ演奏に挑戦。生まれて初めて鍵盤に触る生徒も多く、緊張しながらドレミの音を響かせた。
生徒のプトリさん(13)は「(ピアノ線を取り付けるため)木材の正確な場所に穴を開ける作業が印象的だった。ピアノ製造の精密さがよく分かった」と感動を言葉にしていた。
同自治会の藤田佳久会長は、「KIICには約5万人のインドネシア人労働者がいるが、カラワン出身者は少ない。地元工場の見学が、子どもたちの勉強の動機や将来KIICで働くきっかけになればうれしい」と話した。
見学会を2年連続実施した同自治会は今後、同様の活動を毎年続けていく方針だ。(平嶋健人、写真も)