歌で日イ交流重ね45回 ラグラグ会 年末発表会で熱唱
歌を通じてインドネシアとの文化交流を図る混声合唱団「ラグラグ会」が5日、中央ジャカルタのワールド・トレード・センター1にあるマーカンタイル・アスレチック・クラブで年末コンサート「ラグラグパーティー2015」を開いた。ことしで45回目。インドネシアの歌など20曲以上を歌い上げ、観客120人を魅了した。
「美しく正しい発音」にこだわる中村征夫さん指導の下で練習を重ねてきた14人が舞台に立ち、きらきらと輝くインドネシアを表現した「クビヤル・クビヤル」や松任谷由実作曲の「スラバヤ通りの妹へ」などを熱唱。メンバー紹介では、それぞれインドネシア語で自己紹介し好きな曲について話した。
ソロ曲は望月アンナさんと林裕子さん、近藤英文さんが披露した。望月さんは失恋を歌ったマルク島の歌「サリナンデ」を前半はしっとり、後半はリズムを速めて笑顔で楽しく歌うと、会場からは手拍子が起こった。
同会はインドネシアや日本各地に支部があり、大阪や南スラウェシ州マカッサルから応援に駆け付けたメンバーもいた。伝統竹楽器アンクルンの演奏のほか、インドネシア在住の歌手・加藤ひろあきさん(よしもとクレアティブ・インドネシア)も曲を披露し、会場を盛り上げた。
ラグラグ会は1974年1月15日に起こった反日暴動「マラリ事件」を機に、経済だけでなく文化面での日イ交流の促進を目的に結成された。今回、同パーティーの企画を担当した吉田智史さんは「楽譜も読めない、インドネシア語も堪能ではないメンバーが、インドネシアの歌にどこか魅了され、これまで練習してきた。歌を1曲歌うだけでもインドネシア人との距離が近づく。少しでも興味を持ってもらえたらうれしい」と話した。(毛利春香、写真も)