アチェ犠牲者に哀悼 二階氏初訪問 「津波の日」賛同に感謝
インドネシア滞在中の二階俊博・日本インドネシア国会議員連盟会長(自民党総務会長)率いる「日インドネシア文化経済観光交流団」は25日、アチェ州バンダアチェ市を訪問した。日本政府が国連に提案している11月5日を「世界津波の日」とすることに賛同したインドネシアに謝意を表明、2004年に津波被害を受けた同市の共同墓地や津波博物館を訪れ、犠牲者に哀悼の意を表した。
二階氏がアチェ州を訪問するのは初めて。最初に訪れたのは、津波で犠牲になった22万人のうち4万6718人の遺体が埋葬されているシロン墓地。「一度アチェに行き、犠牲者の霊に手を合わせたかった」と二階氏は話した。黙とう後、同州観光文化局のレザ・ファレフィ局長から墓地の説明を受け、花を手向けて祈念碑に向かい祈りをささげた。
津波博物館では、トミー・ムリア・ハッサン館長らの案内で1階から津波を追体験できる各コーナーを回った。史上最大規模といわれた日本など各国の災害支援の写真展示や、津波シュミレーション機がある部屋で、二階団長は時間をかけ熱心に見入った。
訪問を記念し、津波博物館の敷地内にマンゴー1本とロンガン2本の計3本を植樹。1854年11月5日に起きた安政南海地震を舞台に、津波への早期警戒を説いた物語「稲むらの火」のインドネシア語翻訳漫画も贈った。
二階氏は視察を終え、「アチェに来てある一定の目標を果たせた。自然災害に対しなんとしても世界の能力を結集し、あきらめてはならないということを共有できた。世界津波の日に賛同してくれたインドネシアに感謝し、22万人の犠牲者に対し哀悼と、敬意を払いたい」と話した。
26日にも一行は避難タワーや津波で打ち上げられた発電船などを訪れる。(バンダアチェで山本康行、写真も)