1000人超 観光交流 二階氏ら大型訪問団
自民党総務会長の二階俊博・日本インドネシア国会議員連盟会長が率いる千人を超える大型訪問団「日インドネシア文化経済観光交流団」が来イしている。23日午前、日本政府観光局(JNTO)主催のシンポジウムで日イの観光交流拡大が議論されたほか、同日夜にはインドネシア日本友好協会(PPIJ、ラフマット・ゴーベル理事長)主催の夕食会「交流の夕べ」を開催。ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領も出席し、訪問団とインドネシアの財政界関係者らが友好を深めた。訪問団は24日までジャカルタに滞在し、日イのさらなる交流促進を図る。
PPIJは23日夜、中央ジャカルタのホテルムリアで訪問団やインドネシア各界要人ら1300人を招いた「交流の夕べ」を開催した。
インドネシアからはジョコウィ大統領ら約200人が参加。ジョコウィ大統領は「きょうの半分を日本からの来賓のために割いたのは、2国間関係の強化をいかに重視しているかを表している」と説明。「インドネシアは巨大なビジネスチャンスのある国。今回の受け入れにより、2国間の友好関係が強化され、インドネシアの経済成長も加速すると思っている。ぜひインドネシアの美しさを楽しんでほしい」と話した。
二階団長は、日本が11月5日を「世界津波の日」と制定する国連への提案について、日イの協力の成果が実り同交流団の滞在中に議決される見通しだと明らかにした。「日イは特に大震災や津波被害を通じ、基本的な価値を共有している。今回、自発的に1100人が参加したのは、インドネシアをビジネスパートナーとして重要視しているからで、きょうは日イ友好の歴史の新たな1ページだ」と話した。
これに先立ち、JNTOは同日午前、中央ジャカルタのシャングリラ・ホテルで日イの観光交流拡大を議論するシンポジウムを開いた。両国の観光業界関係者が講演し、日本の訪問団や両国の旅行業界から計331人が聴講した。
インドネシアからの訪日客数は昨年、4年前から倍増し過去最高の約16万人を記録した。インドネシアを訪れた日本人はことし9月の時点で36万6千人。観光省は目標とする年間50万人を達成できるとみている。
さらなる旅行客誘致に向け訪問先の内訳が注目された。訪日インドネシア人旅行者の85%が東京や大阪、京都、富士山などを含むゴールデンルートに集中している。JNTOの松山良一理事長は「(旅行客を)いかに地方に分散するか」を課題に挙げ、観光庁の田村明比古長官は「地方同士の交流に期待する」と話した。
一方、日本人の国内訪問先の88%がジャカルタとバリに集中。イ・グデ・ピタナ観光副大臣は査証免除に伴い、現在全国124カ所から出国可能となったことに触れ「ぜひ他の観光地も訪れてほしい」と呼びかけた。
インドネシア側からは、航空券販売代理店協会(ASTINDO)のエリー・フタバラト会長が国内の旅行需要について解説した。祖父母を含む大所帯での家族旅行が人気で、ホテルでは隣の部屋と内側のドアでつながるコネクティングルームが求められると強調。値段も旅行先選びの重要なポイントで、工場直売店などお得感のあるスポットが注目されていると話した。(木村綾、毛利春香)