違法採掘12人生き埋め ボゴール 国営鉱山で地滑り
27日午前11時ごろ、西ジャワ州ボゴール県ポンコール山にある国営鉱山アンタムが所有する金鉱採掘場で地滑りが起き、違法採掘をしていた地元住民12人が生き埋めになった。29日までに9人の遺体が発見された。違法採掘が横行していた場所で、アンタムの安全対策と警備体制が問われている。
ボゴール県警によると、12人は採掘場周辺にある村の住民。アンタムが関係者以外立ち入り禁止としていた区域に侵入していた。半径50センチの穴を地中深く掘り、この中で金の違法採掘をしていたところに地滑りが発生。穴がふさがれ、生き埋めとなった。
県警は27日から、救命救助隊(SAR)や地元住民、アンタム関係者らと共同で、200人規模による捜索活動を開始。山中では電波事情が悪く連絡が十分に取れないうえ、天候不順で、残る3人の捜索は難航している。
ポンコール山でアンタムが所有する採掘場面積は6047ヘクタール。以前から部外者が容易に侵入できるなど警備体制の甘さが問題視され、9月にも金の違法採掘者が現場で摘発されていた。アンタムは正面ゲートを閉鎖するなど警備体制を強化していたところだった。
国内各地では、国際的な鉱物資源需要の高まりを背景に鉱山開発が活発に進められている。一方で住民が古くから行っていた慣習的採掘現場を企業が強制収用したり、新規開発地に住民が侵入したりするなど、違法採掘が問題となっている。(山本康行)