TJ車両7割放置 整備不良で安全基準満たせず

 ジャカルタ特別州のアホック知事はこのほど、首都圏専用路線バス「トランスジャカルタ(TJ)」のバス車両619台のうち、7割にあたる433台が整備不良などを原因に国の車両安全基準を満たせず、使用できない状態であることを明らかにした。西ジャカルタ区チュンカレンのラワ・ブアヤバスターミナルでは修理が必要な車両が並び、長らく放置されている。
 アホック知事は「基準に満たない車両の点検や修理を進めるとともに、新車両を購入する。使用できる車両が少なくなり、運営が厳しくなるとしても安全が最優先」と説明した。使用できなくなった車両の多くは、乗降口が正常に開閉しないものや、サスペンションや空調機、ブレーキの不具合が生じているもの、国の排ガス基準を満たしていないものなど。州運輸局と交通局の調べによると、ことし4月から9月にかけ、計318台に問題があり、使用不能になっている。
 TJを運営する州営トランスポルタシ・ジャカルタのアントニウス・コサシ社長によると、年内にスウェーデン製などの新車両231〜351台を導入する。新車両は、整備不良のバスが多かったブロックM〜コタ間(第1路線)をはじめ、第2〜6路線と第9路線に優先的に補充するという。(山本康行、写真も)

■「取り組みがずさん」
 西ジャカルタ区チュンカレンのラワ・ブアヤバスターミナルを訪れた27日午後、並んでいたトランスジャカルタのバス車両は20台ほどあった。近くに住むアルンさん(65)は「しばらく放置されたままだ」と話す。夜に出て行くバスもあるが、整備不良で安全基準を満たせず修理や点検を待っている車両が停まっているという。午後4時ごろになると、子どもたちがやってきて車両のドアをこじ開け、車内のつり革にぶらさがったり、座席の上に立って遊び始めた。「今では、子どもたちの遊具になっている」とアルンさんは話す。
 このターミナルでは先月1日夜、火災が発生した。TJなどのバス車両に次々と燃え移り、15台が全焼した。消防車30台が駆けつけ、消し止められたが、出火原因は分かっていない。住民のウィディヤントノさん(48)は「車両のほとんどが中国製で中古の部品を使っていると聞いている。壊れやすいのは目に見えている。ここに放置されている車両、焼けた車両そのものが州政府の取り組みのずさんさを物語っている。中古であろうと新車であろうと関係ない。整備や点検はしなくてはならない」と話した。

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