イ人若手社長が誕生 日系中小企業の舵取り 日イの古都つなぐ  アルミ技術を故郷へ

 アルミ材料加工・販売の渡邉商事(本社=京都市伏見区、渡邉暁社長)のインドネシア現法ワタ・サンライズ(西ジャワ州バンドン市)の社長にインドネシア人のリザル・ヒダヤット・シャーさん(41)がこのほど就任し、インドネシア進出の舵取りを任された。リザルさんは本社の渡邉社長が手塩に掛けて育てた生え抜きだ。バンドンと京都の懸け橋になるよう期待している。

 「渡邉社長に声を掛けてもらった時は緊張した」――。1998年、リザルさんは京都の渡邉商事で働き始めた。渡邉社長はリザルさんの第一印象について、「礼節をわきまえ、誠実な人間だと感じた」と振り返る。
 営業などに従事した後、転機は突然訪れた。2011年、インドネシア進出を思案していた渡邉社長はリザルさんに進出調査を依頼した。バタム島などインドネシア各地を訪問した結果、バンドンを進出先として決定した。渡邉社長は「(バンドン市の)リドワン・カミル市長が京都市のような街並みにしたいと話していたため関心を持った」と語る。
 リザルさんは当時、帰国を検討していたが、インドネシアで働き続けることができると喜んだという。「時を同じくして渡邉商事がインドネシアへ行くということで驚いた。自分の学んだ技術を母国へ還元できる瞬間が来たと感じた」と強調する。
 渡邉社長は「京都で蓄積したアルミの技術を現地へ伝える人物として適役だ。京都の文化、企業文化を知り尽くしている」と太鼓判を押す。

■職人気質を浸透
 渡邉商事では現在、インドネシア人技能実習生12人を受け入れている。渡邉社長は「日本の整理整頓といった企業文化などを学び、将来はインドネシアのために貢献してほしい」と力を込める。
 リザルさんもバンドンでアルミ産業の土台を築くには技術移転が重要と考えており、「(京都の)細部までこだわる職人気質を浸透させたい」と意気込む。
 バンドンでは先端技術産業が集積しておりアルミ部品の用途がたくさんある。リザルさんは、ロボット産業や航空産業にアルミ部品を将来的に供給したい考えだ。「バンドンと京都の文化や技術交流を活発にしたい。若者を中心に人作りに注力する」と前を向いた。(小塩航大、写真も)

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