日本の相互敬意に感動 プサントレン 教師10人帰国 政府招へい12回目
日本政府が毎年実施している、イスラム寄宿学校(プサントレン)の教師招へい事業で訪日していた教師10人が22日、中央ジャカルタのサリ・パンパシフィック・ホテルで帰国報告会をした。日本人が常日頃口にする「ありがとう」に感銘し、相互敬意を重んじる文化に触れた体験などが発表された。
教師らはこの日、帰国したばかりで、日本見学の余韻がまだ残ったまま体験談を伝えた。東ジャワ州ジュンブル県から参加したアフトンさんは、「行く先々で日本人が『ありがとう』と言っていたことに感心した」と発表。相手へ感謝の気持ちを伝えることで、互いに敬うことを大切にしているとし、「これはとても大切なことだ」と力を込めた。
東南スラウェシ州コラカ県から参加した女性のハムシアさんはホームステイ先で言葉の壁に苦労した体験を披露。しかし、最終的には翻訳アプリを利用したりジェスチャーを交えて意思疎通が図れたことが印象的だったとし、「ゆっくりとコミュニケーションを取ってくれた日本人はとても優しい人たちだ」と振り返った。
招へい事業は、日本とインドネシアのイスラム社会との相互理解を深める目的で2004年から始まり、今年は12回目。招へい人数は138人に上る。今回のプサントレン教師10人は12日から10日間にわたり、東京や大阪などで小中学校を含めた教育現場を訪問。日本人家庭へホームステイもし、日本への理解を深めた。東大寺(奈良市)を訪れ、森本公誠長老と宗教について対話する機会もあった。(小塩航大、写真も)