元研修生ら3000人が出席 アイム・ジャパン同窓会
アイム・ジャパン(国際人材育成機構)を通じて日本で研修したインドネシアの人たちの同窓会がこのほど、西ジャワ州カラワン県グランド・タルマ・モールで開かれ、主催者のインドネシア研修生実業家協会(イカペクシ=「社長の会」)関係者や家族ら約3千人が出席した。会場では元研修生による企業ブースの展示も行われ、大にぎわいだった。
同窓会は18日に行われ、ハニフ・ダキリ労働相、柳沢共栄アイム・ジャパン理事長も出席した。ハニフ労働相はあいさつで、「単純労働者の海外派遣は禁止しているが、アイム・ジャパンの技術研修生は日本の高い生産技術を研修、優秀な労働者の規律とモラルを持ち帰り、インドネシアの労働生産性の質の向上、国際競争力の強化に貢献、素晴らしい活躍をしており感謝している」と述べた。
柳沢理事長は「事業開始から23年。技能実習は出稼ぎではない。インドネシア経済発展のための技術者の育成で、それが私たちの哲学である。今やっと花が咲き、全国レベルで起業家が育っている。ジョクジャカルタ特別州の繊維会社社長は500人の社員を雇用。ロンボク島で一番大きな建設会社を設立した元研修生は250人を雇用している。今後も一人でも多くのインドネシア人社長を育成・支援したい」と語った。
イカペクシのエディ・ワルヨノ会長(44)は「地方では多くの人が農業ビジネスで成功し、地方での2国間の懸け橋となっている。現在、私たちは元日本留学生で構成されるハビビ・センター関係者やバンドン工科大学、国立科学院とも一体となってヤシの葉から根まですべて活用する技術の開発・企業化、また、スーパーソルガム(沖縄で開発したアルコール用コーリャンの熱帯適用種)の活用など、統合プロジェクトを推進している」と話した。
今回、元研修生が同窓会を開催したことについてアイム・ジャパンの西嶋義哲ジャカルタ所長は「2国間友好親善関係の促進に貢献したいという意志の表れで、彼らは4万人の親日サポーター。今後、農林水産加工、高齢者介護の分野もこの技能研修生制度に応用されれば、2国間協力関係をより強化することにつながる」と語った。
アイム・ジャパンは1993年に設立。インドネシアやベトナム、タイからこれまでに4万2千人の技能実習生を受け入れ、インドネシアでは約5千人の帰国生が母国で起業している。インドネシアからは最も多く、全体の85%の約3万6千人を占めている。(濱田雄二、写真も)