パレンバンで泡消火 JICA煙害で緊急援助
スマトラ島などで森林・泥炭火災による煙害が拡大している問題で、国際協力機構(JICA)は17日から南スマトラ州パレンバンで緊急援助を開始、専門家を派遣して消火剤を散布し、20日までに終了した。
高温地点(ホットスポット)が集中する、パレンバン隣接のオキ県で消火剤計400リットルを使用。4トンの水が入るバケツをつり下げた大型ヘリコプターで火災現場近くの湖から水をくみ上げ、100〜200倍に薄めた消火剤を散布した。
消火剤は散布すると空気を巻き込み泡状になる。そのため水に比べて散布面積が広く、表面張力が弱まり、地面に浸透しやすい。日本では建物火災で実績がある薬剤だが、泥炭地でも水を上回る消火効果が見られたという。
一方で今回使用したヘリコプターには100リットルまでしか薬液を積むことができず、一度に使用できる量が限られた。煙で視界が遮られ、散水用の飛行機が飛べないこともしばしば。そのため現場からは、より希釈倍率の高い薬剤を求める要望も上がった。
国家防災庁(BNPB)や南スマトラ州災害対策局(BPBD)などに消火剤の使用方法を指導した森高喜芳専門家は「燃焼範囲が広く点在しており、消火はいたちごっこの現状。1度消火したところに再着火してほしくないとの現場の声が多く聞かれた」と話した。(木村綾)