Jリーグ 地上波で放送へ 日本サッカー売り込む TVワンと合意
インドネシア民放テレビ局のTVワンで、Jリーグが放送開始となることがほぼ確定した。Jリーグ理事会はインドネシアのほか、タイ、マレーシア、ベトナムの四カ国で各国のテレビ局と交渉を進め、合意に達した。「国技」と呼ばれるほどサッカー熱の高いインドネシアで、日本のプロサッカーリーグが、映像コンテンツの売り込みに乗り出す。
放送開始予定は、二〇一二年のシーズンからで、生中継も検討されている。
放送されるのはJ1リーグで、多くとも年間六十八試合となる見込み。映像はJリーグ側が制作し、TVワンが実況・解説などを加える。
放映権料は当面無料とする代わりに、JリーグはTVワンからCM枠やスポンサー枠を獲得することで収入を得る。
Jリーグ広報は「スポーツコンテンツも、日本国内だけをマーケットとするのでは小さくなった。アジアの好調な経済成長を取り込みたい」と海外でのコンテンツ提供に乗り出した理由を話す。
さらに「日本代表は三十年ほど前、インドネシア代表に負けていた。Jリーグができてから、ワールドカップに四回出場するなどして実力を付けてきた。インドネシアの人が欧州のプレースタイルだけを学ぶのでなく、同じアジアである日本のプレーも学んでもらうことで、アジア全体のサッカーのレベルを上げ、切磋琢磨していきたい」とサッカーの技術面向上にも期待を示した。
インドネシアで高視聴率を獲得しているのは、イタリアやスペインなどの欧州サッカー。日韓共催サッカーW杯が行われた二〇〇二年、インドネシアではメトロTVや国営テレビ局TVRIがJリーグを放映したことがあるが、欧州リーグの人気が確立されているインドネシアでは定着しなかった。
サッカー国内リーグ「インドネシア・スーパー・リーガ(ISL)」では現在、大友慧選手、足立原健二選手、松永祥兵選手などの日本人選手が活躍。
欧州リーグで活躍する日本人選手や女子代表なでしこジャパンの活躍などで、日本サッカーの認知度が高まりつつあり、世界のトップレベルを目指す日本のプロサッカーが、インドネシアでどう受け止められるか注目される。
Jリーグ側は、日本代表OBをインドネシアに招いてのサッカー教室開催などのイベントを検討しており、映像とイベントの両輪で、日本サッカーの人気を高めていきたいとしている。