電気料金前払い論議 リザル調整相が問題視
リザル・ラムリ海事調整相が今月上旬、電気料金の前払い制度をめぐり、導入を進める国営電力PLNを「利便性や料金体系に問題があり、中間業者が不当に搾取している」と批判した。これが引き金となり、国会公聴会でもPLNが手数料などを追及されたが、幹部は制度は妥当であり、直ちには引き下げない考えを示した。
8月の内閣改造で入閣したリザル氏は就任早々、政府の電力増強目標の下方修正を主張した。閣内外から批判を受けると、次は矛先をPLNの運営体制に向けた。
ソフヤン・バシルPLN社長を呼び出し、電気料金のプリペイドチャージ(Token Plusa)の購入が地域によっては困難だと指摘。料金についても、「10万ルピア分を買ったが、実際のチャージは7万ルピア分のみという苦情を聞く」と例を挙げ、手数料を取っている銀行などを「電気料金マフィアだ」と露骨に批判。利用者が前払い式か、従来の後払い式か選択可能にすべきだとも促した。
同社長によると、一例としてプリペイド式電気メーターにチャージした際に表示される10万ルピア相当の電力「70kWh(キロワット時)」をルピア追加料金と誤解する利用者が多い。「100(=10万ルピアの意)買ったのに、なぜ70(=7万ルピア)しか追加されないのか」という苦情があるという。リザル氏も同様の誤解をしていると反論している。
前払い制度では、一般例として、手数料(1600〜2千ルピア)などを差し引いた金額相当の電力クレジットが加算される。国内メディアは、広報不足の上にメーターの表示が分かりにくいため、多くの利用者が誤解しやすいとPLN側を批判している。
以前から一般利用者の電気料金未払い問題に苦慮していた政府とPLNは、2008年から本格的に前払い方式メーターの設置を促進。日系メーカーなど国内数社が製造、PLNに供給している。(前山つよし)