トヨタ工場、工夫に感動 JJSとBJS児童見学
ジャカルタ日本人学校(JJS)とバンドン日本人学校(BJS)の小学部5年生の児童150人は23日、西ジャワ州カラワン工業団地(KIIC)にあるトヨタ・モーター・マニュファクチャリング・インドネシア(TMMIN)のカラワン第2工場を訪れ、ハッチバック車「ヤリス」と「エティオス」、小型セダン「ビオス」の生産工程を見学した。BJSは初めて参加し、小学部の児童1人がJJSの児童たちと一緒に車づくりに見入った。
TMMINの野波雅裕社長は見学前に「インドネシアで最も知られているトヨタの車は何でしょう」と問いかけ、その答えとなるMPV(多目的車)「キジャン・イノーバ」をインドネシア人の用途に合うように開発したエピソードを披露。「安全で健康な生活を送らせてくれているインドネシアに、感謝の気持ちを忘れず少しでも貢献していけるように車を作っています。少しでも多くのことを学んでいってください」とあいさつした。
工場内では鉄板をプレスして成型した部品を溶接、塗装、組み立て、検査するまでの生産工程を5班に分かれて見学。社員が製造ラインに導入している独自の工夫を説明した。上下2段になっている台車はその一つ。上段に部品を入れた箱を置き、補充員が同型の台車にぶつけると、上段の箱がレールを流れて作業員のもとへ、下段の空箱が補充員のもとへ自動的に戻るからくりに、児童たちは目を丸くしていた。
質疑応答では児童らから「大小プレス台の圧力の違い」「溶接時の温度」などについて突っ込んだ質問が出され、社員が丁寧に回答した。
BJSから初めて参加した青木瑛杜アリフ君(10)は大の車好き。「プレス工程で実際に車を作っている様子が見ることができた」と満足げ。JJSから参加した高橋穂香さん(11)は「女の人も工場で働いていてびっくりした」。仁井航大君(10)は「ドアは、外して塗装するとは思わなかった」と驚いた様子だった。
JJS小学部の永谷隆教頭は「実社会を意識する良い機会。児童たちはものづくりの大切さを学べた」と振り返った。(中島昭浩、写真も)