インドネシア作品を特集 18日から福岡国際映画祭 多数の関連行事、リザ監督も
アジアと日本の映画を紹介し、今年で25回目となる「アジアフォーカス・福岡国際映画祭」(主催・実行委員会、福岡市)が18日に開幕する。今回は、インドネシアに焦点を当てたイベントが初企画され、うち「インドネシア映画特集」などで8作品が上映される。インドネシア映画界を代表するリリ・リザ監督や男優ニコラス・サプトラ氏が参加する予定だ。
同映画祭はアジア地域の映画振興と文化交流が目的で、25日まで開催。国際的に評価が高まっているインドネシア映画をはじめ、関連シンポジウム、ダンスパフォーマンスなどを盛り込んだ一連イベント「マジック☆インドネシア」が企画されている。
映画祭では、トルコやイランなどから公式招待作品15本を上映。インドネシア作品では、開幕日を飾るイファ・イスファンシャ監督のアクション大作「黄金杖秘聞」(2014年)や、リリ・リザ監督らの共作でインドネシア・ニューシネマの草分け的作品「クルドサック」(1998年)の2本が紹介される。
このほか「インドネシア映画特集」では、同監督の「シェリナの大冒険」(00年)、ベルリン国際映画祭で上映されたエドウィン監督の「動物園からのポストカード」(12年)など6本を上映。計8本が紹介される。
18日の開幕式には、「黄金杖秘聞」主演のニコラス氏が参加。19日のシンポジウム、20日のワークショップには、インドネシア映画史上最高の観客動員数を記録した「ラスカル・プランギ(虹の兵士たち)」を手がけたリザ監督とプロデューサーのミラ・レスマナ氏のコンビが登壇する。
インドネシアのポップミュージックバンドのステージ、パプア文化を取り入れたコンテンポラリーダンスの公演もある。
9日には福岡市で関連イベントがあり、高島宗一郎市長が同映画祭の企画「マジック☆インドネシア」の魅力を紹介し、市民に参加を呼びかけた。
■自分の足で
福岡国際映画祭の梁木(はりき)靖弘ディレクターによると、日本国内の映画祭でインドネシア映画特集は珍しく、「当地の映画の現状を知る貴重な機会になる」と強調した。
梁木ディレクターは、同映画祭での上映作品を選ぶために現地へ足を運び、映画評価を自ら感じるようにしている。インドネシアを訪れたのは今年3月。2014年の同映画祭で「福岡観客賞」を受賞した「ジャングル・スクール」のリザ監督に、特集に相応しい監督を紹介してもらった。
同ディレクターは「リザ監督らにはインドネシア映画にかける熱い思いがある。今後の映画界を担う若い世代に可能性を感じる」と期待している。(小塩航大)