「心の友」の背景探る ドキュメンタリーを製作 「愛してる」のDNA
インドネシア国民の大半が知っている五輪真弓さんの曲「心の友」。そこまで広まった理由は? インドネシアのDNAプロダクションが「心の友」が人々に浸透していった背景を深く掘り下げるドキュメンタリー番組「MAYUMI LOVES INDONESIA(真弓が愛するインドネシア)」(仮題)の製作準備を進めている。
DNAプロダクションのリナ・ノフィタさんによると、五輪さんの「心の友」が広まったのは1983年。インドネシア国内の若者向けラジオ局が流したことがきっかけで一躍人気の曲となった。現在は、曲を知っている人は多いが、歌詞の意味を知っている人は少ないという。リナさんは「メロディーラインがインドネシア人にとって心地良く、人々を幸せにする曲」と解説する。
撮影では、ラジオ局に「心の友」を紹介した人物や五輪真弓さん本人にインタビューし、独自調査をまとめて番組にする予定だ。
DNAプロダクションは2013年、日イ国交樹立55周年を記念して、両国初の合作テレビドラマ「愛してる」をインドネシア友好協会(PPIJ)や日本のフジテレビとともに製作。「愛してる」は1945年の終戦後、インドネシアに残留した日本人の祖父の足跡をたどりながら、新世代同士が交流を深める友好ドラマ。リナさんは「愛してる」について、約2千人の残留日本兵がインドネシアの独立戦争で共に戦ったという事実をインドネシア人に知ってほしいというメッセージを込めて作った。
今回の番組については「『心の友』という曲そのものが、日イをつなぐ親善大使的な役割を果たしている。歌詞をよく理解してもらえるドキュメンタリー番組を作り、インドネシアの人々に曲をより身近に感じてもらえれば」とリナさんは意気込みを語った。
製作に当たっては、インドネシアでライターや通訳などで活躍中の武部洋子さんや作曲家で音楽プロデューサーのURUさんら日本人もサポートする。(山本康行、写真も)