上半期 業績伸びず 大手地場企業 アストラは減収減益

 大手地場企業の上半期(1〜6月期)決算が一巡した。多くの事業を展開している財閥企業も前年同期を下回る業績となった。ルピア安や国際商品市況の下落、消費の低迷が重なり、業績を押し下げる要因となった。

 経済紙ビスニス・インドネシアは、国内の10主要財閥グループの上半期決算をまとめた。財閥中核企業10社を含む上場企業42社の業績を集計したところ、42社のうち、直近3年間の上半期で今年最低の純利益を計上した企業は31社に上った。
 投資顧問会社サラン・マンディリのハンス・アナリストは「ルピア安で輸入コストが上昇したほか、消費の低迷と資源安が業績低下の要因」と分析。さらに進まない政府の財政支出が景気鈍化に拍車をかけていると説明した。同氏は「下半期(7〜12月期)も外的要因を含め状況は変わらず、上半期と同様低調な決算になる可能性が大きい」と指摘した。
 さまざまな業種に200社近くの子会社を持つアストラ・インターナショナルをみると、14年1〜6月期の売上高は100兆ルピア超だったが、今年上半期は92兆5050億ルピアと100兆ルピアを割り込み、13年上半期の水準を下回った。
 プリヨノ・スギアルト社長は要因として、およそ半分のシェア(市場占有率)を持つ自動車販売台数の伸び悩みと、パーム油など農業部門の市況価格の下落が減益につながったと説明した。全体の純利益が18%減少した中、農業部門の純利益は68%の大幅減少となった。自動車に次ぐ収益源である金融部門の純利益は同16%減だった。
 サリム・グループの総合食品大手インドフード・スクセス・マクムールは上半期の純利益が前年同期比25%減の1兆7300億ルピアだった。売上高は同3%増の32兆6300億ルピアだった。
 一方で、即席麺「インドミー」など個人消費向けの商品を手がけるインドフードCBPスクセス・マクムールは、商品の多角化で売り上げを伸ばし、純利益は1兆7400億ルピアと同27.9%増の高い伸びとなった。同社のアンソニー・サリム社長は「マクロ経済指標に影響されない持続的な成長戦略を作るための我慢の時期だ」と説明した。
 不動産関連企業は比較的堅調だった。シナールマス・グループは、ブミ・スルポン・ダマイ(BSD)社が売上高を前年同期に比べ1兆ルピア伸ばした。リッポー・グループのリッポー・カラワチは同16%増の4兆7500億ルピア、リッポー・チカランは同12.26%増の9545億ルピアだった。(佐藤拓也)

経済 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly