家庭用ラップ本格販売 クレハ 目標月3万本 日本食スーパーなどで
クレハは看板商品の家庭用包装ラップ「クレラップ」のインドネシア国内での販売を本格的に始めた。在イの日本人家庭のほか、所得の高い地元の「中の上」以上の階層を狙い、1年後に月間3万本の販売を目指す。インドネシア向けに商品表示やパッケージを一部変更し、日本で製造したものを輸入元の化学品専門商社のソーダニッカ(本社・東京都中央区)のインドネシア現地法人を通じ販売する。
当面、ジャカルタ州内および近郊の日本食スーパーのパパイヤと地場スーパーのフードホールなど四つの地場スーパーマーケットチェーンの合計約20店舗を通じて販売する。売れ行きを見ながらスラバヤ、バンドン、バリなどジャカルタ以外の販路を拡大、販売店舗数を30程度に増やし、日本製の高品質家庭用ラップとして普及を図る。
販売するのは幅30センチ×長さ20メートルのレギュラーサイズのみで、価格は1本3万ルピア前後と、インドネシアで普及している一般的な商品に比べると、約2倍の価格となる。
日本製の家庭用包装ラップの主流は、ポリ塩化ビニリデン製で、価格が高いものの、耐熱性や密閉性、ラップの「切れ味のよさ」への評価が高く、日本を訪れた中国人観光客などの隠れた日本土産になっている。
インドネシアで生産されているもののほとんどはポリエチレン製で、価格が安いものの、日本製に比べると、熱に弱く臭いが漏れやすい難点がある。
ソーダニッカの販売担当者によると、日本製ラップの輸入は過去にもあったが、高価格で普及せず、今回のケースが、日本製の高品質ラップの初の本格販売となる。
インドネシアでは今後共働き家庭が増えてくるにつれて「家庭で食事を作り、冷蔵庫で保存し電子レンジで温めて食べるライフスタイルに変化していく」と輸入元の担当者は予想。「食品包装用ラップの認識を変え、使い方を定着させていきたい」と話した。(中島昭浩)