滞留時間短縮へ議論 プリオク港 省庁間の連携を問題視

 ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領が北ジャカルタのタンジュンプリオク港を視察してから、国内で貨物滞留時間短縮のための議論が活発化している。地域の経済統合が進むにつれ、物流競争力強化のために同港の重要性は今後高まるが、近隣諸国の港湾と比べ依然として滞留時間は長い。許認可や手続きの簡素化と、それに伴う省庁・機関間の連携が問題視されている。

 ジョコウィ大統領は視察時に、政府は滞留時間4.7日を目指しているにもかかわらず、5.5日にとどまっている理由を把握しようと各担当者に次々と質問をしたが、適切な返答が無かった。地元メディアでは「総局長でも、原因となる人物でも、閣僚でも解任することができる」と大統領が怒りをあらわにしたことが注目された。
 発言を受けて口火を切ったのは同港を運営する国営港湾運営第2ペリンドのリノ社長だ。22日、大統領官邸でルフット・パンジャイタン大統領主席補佐官らと面会し、「港湾側ではなく8省庁が滞留の原因になっている」と指摘。輸出入に関わる権限を持つ省庁・機関の同港への出先機関同士の連携が悪いため、手続きに時間を要していると強調した。
 港湾での滞留時間5.5日のうち、18の省庁・機関が関わる事前通関に3.2日かかっている。港湾施設の機能が悪かったり、コンテナの積み降ろしに時間がかかったりしているわけではないとしている。
 リノ社長によると省庁・機関間の連携強化のため、ペリンド2はこのほど、各担当者が同じ場所で作業をする事務所を設置したが、使われていない。「ジョコウィ大統領が事務所を視察した時には多くの担当者がいたが、普段は商業省と農業省の担当者しか利用していない」と大統領にも伝えたという。
 ゴーベル商業相は輸入品が同港に到着してから、許認可手続きを始める輸入業者がおり、滞留時間増加の一因になっていると指摘した。他にもコンテナ置き場を倉庫代わりに使っている業者がいることや、港は24時間操業しているにもかかわらず、就業時間が短い省庁・機関があることが滞留時間が延びる要因になっている。
 ジョナン運輸相は省庁間の連携が悪いことが許認可手続きを遅らせていることを認め、「大統領令の下で(省庁・機関を)一つ屋根の下にしなければ解決できない」と話した。(堀之内健史)

社会 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly