インドネシア人も大爆笑 桂三四郎さん ジャカルタ寄席

 上方落語家の桂三四郎さんが13〜15日の3日間、ジャカルタで落語会を開いている。三四郎さんが海外で独演会を開くのは初めて。美術品や映像・音楽コンテンツなどの保管を手がける寺田倉庫(本社・東京)が主催した。 
 13日には中央ジャカルタの国際交流基金ジャカルタ文化センターで無料の特別講演を開き、日本語を学ぶインドネシア人ら約90人が足を運んだ。複数の登場人物をしぐさや声色、表情で演じ分ける三四郎さんの姿に来場者らは大爆笑。インドネシア人の心をつかんだ。  
 1席目は英語で、移動動物園でトラの毛皮をかぶってトラになりすまして働く男の姿をユーモラスに描いた「動物園」を披露。トラのふりをする動きやおりの中から子ども客にこっそり話しかけてドーナツをねだる姿、ライオンと決闘することになり怖がる仕草など、最後の落ちまで終始笑いが絶えなかった。
 2席目は「皿屋敷」を日本語で披露。女中・お菊の霊が井戸で夜な夜な皿を数える「番町皿屋敷」の怪談話を知った数人の若者が、お菊が9枚目まで皿を数えるのを聞けば死ぬ、その前に逃げれば死なないと教えられ、一目見に屋敷へ向かう。お菊の霊が美しかったため何度も皿屋敷へ通ううちにうわさが広まり、見物人が増え皿屋敷は観光地となるが……。
 三四郎さんはすべて日本語で語ったが、若者らが怖がりながら皿屋敷へ向かう場面や見物客とお菊が仲良く掛け合う姿に観客は爆笑。最後まで落語を楽しんだ。
■落語を身近に
 三四郎さんはより身近に落語に触れてもらおうと、うどんの食べ方をしぐさや音でどう表現するかを合間に紹介し、来場者も挑戦した。2人の女性が壇上にあがり、箸に見立てた扇子を右手に、左手はどんぶりを持つようにし、麺を高く持ち上げ、熱いうどんに息を吹きかけて冷ましたり、「ズズズ」と音をたてて麺をすすったりした。三四郎さんも一緒に笑ってしまうほどの出来栄えに「何も教えることはないですね」と声をかけ、会場を沸かせた。
 日本語を勉強している大学生のアンディさん(25)は今回、初めて落語を聴いた。「関西弁が難しくて、わからない日本語も少しあったが、トラや幽霊の動きが変だったり表現力が豊かだったりしておもしろく、よく笑った。楽しかったのでまた来てほしい」と話した。 
 同日夜と14日には中央ジャカルタのインターコンチネンタルホテルで落語を披露。日本人を中心に約100人が集まった。15日は午後6時半(開場同6時)からグランドハイアットで公演する。(毛利春香、写真も)

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