地図データを省庁共有 NTTデータ開発 業務効率化に期待
国土地理院(BIG)は20日、中央ジャカルタのホテルで新しい地図データ共有システムを公開した。同システムの導入により、各省庁間でさまざまな情報を共有でき、行政業務などの効率化が期待される。NTTデータがシステム構築を担当。2010年の12月に契約を締結後、システム構築に約4年半をかけた。
同事業は政府開発援助(ODA)の一部で、地理情報のネットワークシステムを構築するもの。これまで、各省庁機関が独自に産業・研究分野の地図情報を作成していたため、作業工程で重複したり、情報収集の煩雑さなどが課題とされていた。システムを導入することで、省庁や自治体、教育機関などが国土データを一元化し、開発計画や、災害管理を把握するための情報が迅速に入手できるようになる。
国土地理院によると、現在23の省庁や18の州などでシステム導入を開始、維持・管理を進めている。今後は57の省庁、34州、500の県や市、34教育機関まで導入を広げていきたい考えだ。
現時点の導入省庁は、海洋水産省や農業省、環境林業省、公共事業・国民住宅省、エネルギー鉱物資源省など。ジャカルタ特別州も導入する。
導入した国家開発計画省では、「地域開発計画の策定上、必要な情報の統一化が図られ、効率化が図られている」(同省幹部)と評価。人口分布図や豊富な資源の場所、排他的経済水域なども共有データで把握できる。今後、ほかの省庁間と連携が増えることで、さらに多くの情報が共有されていく予定。
インターネットを通じて民間人も利用でき、病院や警察の立地など政府機関公認の情報を入手できるようになる。
NTTデータは11年に現地法人を設立後、初めて政府と大規模な案件を手がけた。本社の公共システム事業本部の加藤浩治部長は「インドネシアのさらなる成長につながると信じている」とシステム完成を祝った。(佐藤拓也、写真も)