「高品質で安く早く」 野波氏が檄 金型工業会総会

 国内の金型産業を振興するインドネシア金型工業会(IMDIA)は11日、東ジャカルタの松下ボゴール教育財団(YPMG)施設内で年次総会を開いた。総会後の講演で、トヨタ・マニュファクチャリング・インドネシアの野波雅裕社長は「より高品質な型を早く安く作らなければ、タイや中国との競争には勝てない」とハッパをかけた。

 総会には70社から79人が出席し、2014年度の活動結果や今後の課題などが報告された。同会は、発足時の06年は99企業だった会員数が、14年度だけで過去最高となる39企業が加わって、現在は435企業。今後は450企業を目指す。54%を目標としていた14年度の金型現地調達率は52%に留まった。自動車や家電製品の生産増加に見合う高精密・大型金型の現地調達が遅れているとした。
 同会は人材育成に力を入れ、ワークショップや国家認定試験を実施し、優秀者をインストラクターに登用することで循環型育成体制を整えている。現在、42人のインストラクターがいるが、樹脂成型とキャスティング金型設計、金型保全の3職種でインストラクターがおらず、育成に取り組まなければならないとした。
 総会後、野波社長が「自動車産業の展望とインドネシア裾野産業の課題」をテーマに講演した。インドネシアの金型分野での競争力は、アジアでは納期管理やエンジニアリング力の点で評価が低いと指摘した。
 野波社長は「インドネシアの若い世代が秘める可能性は大きい。優秀な人の潜在能力を引き出してほしい。特に自動車や家電に使う部品の金型は輸入に頼っているが、これこそが大きなビジネスチャンス。世界中から信頼され愛されるものづくりの国を目指してほしい」と話した。
 講演後、今年2月に横浜市中区で開かれた、コマの製造技術を競い合う「全日本製造業 世界コマ大会」に参加したインドネシア代表の、決勝戦も動画で紹介された。惜しくも2位となったが、白熱した戦いに会場から拍手が起こった。(毛利春香、写真も)

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