宗教理解して楽しく JCCが新生活セミナー
インドネシアの舞踊や料理、手工芸、言語などさまざまな文化講座を開講しているジャカルタ・コミュニケーションクラブ(JCC)は11日、南ジャカルタのクバヨラン・バルにあるJCC2(文化センター)で「インドネシア生活セミナー2015」を開催、邦人主婦ら26人が参加した。
生活セミナーは、企業向けの語学研修に生活面の知識を取り入れたセミナーを行ったことが好評だったことから始まり、新しく来イした人たちにインドネシア生活を楽しむための基本情報や心得などを知ってもらうことを目的に年2回行われている。
JCCの渡辺彰吾副校長が講師を務め、デシ・ジュニタ校長がインドネシア人の立場からアドバイスを補足した。
日本での生活にくらべ、イスラム教徒が約9割を占めるインドネシアでは日々のお祈りや断食など、宗教と接する機会が格段に増える。運転手や家政婦を雇っている場合、仕事を頼むときは祈りの時間を気に掛ける配慮が必要、と渡辺副校長は指摘した。また、勤務内容を明記し、両者が納得した上で契約を行うよう説明した。
その他、返事ははっきり伝える、(不浄とされる)左手で物やお金などを渡さない、なるべく覚えたインドネシア語で話してみる、緊急時の準備をしておく―など、実生活に役立つ内容が続いた。
来イして1カ月という主婦は「もう少し宗教の話を詳しく説明してほしかった」と話し、生活をする上で宗教を知ることが重要だと実感。滞在約4カ月の主婦は、17年前に起きた5月暴動を教訓にしたアドバイスに「改めて防災や安全について意識するきっかけになった」と話した。
渡辺副校長は「身近な例を用いるよう心がけている。インドネシアの生活を楽しむためのヒントになればいい」と話した。
JCCはラマダン(断食月)に入る前の6月9日正午ごろ、JCC2で来イしたばかりの邦人向けの「プアサ(断食)とレバラン(断食明け大祭)セミナー」の開催を予定している。(中島昭浩、写真も)