金融アクセス課題に 省庁間の調整急務 低所得者向け住宅

 政府が掲げる低所得者層向けの住宅100万戸の建設計画を実現するために、土地価格や税制面で省庁間の調整や、住宅ローンなど金融面へのアクセスを強化する政策が重要になってくる。国営アンタラ通信が報じた。
 政府は以前に1千戸の低所得者層向け住宅建設を計画していたが、頓挫した経緯がある。政府が民間企業に頼り、明確な方針や監督機関が機能していなかった。
  不動産コンサルタント会社のインドネシア不動産ウォッチ(IPW)のアリ・トランガンダエクゼクティブ・ディレクターはアンタラ通信の取材に「(今回の計画も)政府から明確な指針が定められていない」と指摘する。
 同氏は400万ルピアの補助金給付や住宅ローンの金利優遇などの支援制度を評価した一方で「不動産の土地価格が高騰しているため、開発業者が低所得者層向けの住宅開発に利益を見込めず、二の足を踏んでいる」と指摘。「消費者はどこに該当物件が建てられるのか、把握できていないのが現状」という。そのため消費者の購買意欲と購買力が上昇しても、供給が足りないと懸念する。低所得者向け開発に対して、地域を指定したり、該当する土地価格を抑える特例のほか、税金の軽減措置を整備するなど、国土庁(BPN)や財務省間の協力が重要と指摘する。
 金融面へのアクセスの低さも課題の一つだ。国家開発計画省(バペナス)の調査によると、富裕層が自己資金で自宅を購入する事例が多く、住宅ローンの利用者率がまだ他国に比べ伸びていないという。公共事業・国民住宅省幹部は「自己資金を保有していない消費者が住宅を購入できるように、住宅ローンへのアクセスを向上させる必要がある」と語った。
 国土交通省の住宅市場動向調査(2014年度)によると、日本では注文住宅(新築)を購入する際、74・5%(12%が無回答)が住宅ローンを利用している。(佐藤拓也)

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