新政権への手伝い 提言 野波理事長、任期終える きょうJJC総会 オールジャパンで インフラ、人材育成

 ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)の野波雅裕理事長は16日のJJC総会で、1年間の任期を終えて退任する。昨年はジョコウィ新政権が成立し、歴史的な1年だった。在任中の成果を振り返りつつ「新政権へのお手伝いで何ができるか、常に考えてきた」と述べた。                    

■大統領選を体感 
 昨年は大統領選挙でジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領が誕生した。10月には新政権が発足し、歴史的な年となった。 
 選挙を振り返って、野波理事長は「勉強になった。初めて大統領選挙に接して、市井のおばちゃんまで、こういう理由で誰を支持する、と意見を持っていることに驚いた。元首を選挙で決めるとはこういうことかと思った。開票速報では各テレビ局の数字がバラバラで、これにも驚いた」と感想を述べた。 
 JJCは新大統領就任前に提言書をまとめ、要人に説明した。 
 野波理事長は「あの提言はオールジャパンとして、インドネシアに何ができるのか、焦点をしぼろうという趣旨だった」という。8、9月に、大使館の貴島善子経済公使をはじめ、ジェトロ(日本貿易振興機構)、JICA(国際協力機構)の人たちにも声かけて、週1回集まって話し合った。その結果「何が日本の強みか、それでお役に立ちたいと考え、インフラ、産業人材育成、金融市場の発展、の三つを掲げた」と説明した。 
 その後、商業相になったゴーベルさんらに説明して回った。「もっと具体的にしてくれ、という要望も少なくなかったので、この3分野の委員会をつくって今月から活動していくことになった」という。 
 ジョコウィ新政権は発足から半年経った。今、どう見るか。 
 「新政権の大きな方針は、輸出促進、投資の誘致、格差の是正の三つ。方向性は正しいと思います。しかし、これまでと力の入れ方が少し違う面もあり、ちぐはぐもあるのかなとも思う」との見方を示し、「私たちは慌てず、焦らず、諦めず、でいけばいいのではないか」と話した。 

■早く新港建設を 
 日本側が望んでいたチラマヤ新港計画が難しくなっている点については、こう語った。 
 「日系企業も輸出を増やしたいが、それには物流コストを下げたい。渋滞はもちろん、タンジュンプリオク港に荷物が1週間も2週間も滞る事態は困る」と現状を述べた。さらに「チラマヤ港は、前政権時代に日イ両国で事前調査して、ここに造ろうと結論を出した。多少移動しても、新港の必要性はコンセンサスができている。またゼロから調査は大変だなと思うが、焦ってもいけない。新しい港が一日も早くできることを祈る」と語った。 
 広報活動に力を入れたが、「JJCの活動内容を、邦人社会にはかなりPRできたと思っている。今後は日刊紙コンパスなどローカルのメディアへの発信が課題」と指摘した。(臼井研一)

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