シュートに沸いた熱戦 フットサル親善試合 バルドラール浦安とイ代表 延べ3000人が声援
日本フットサルリーグ(Fリーグ)のバルドラール浦安(千葉県浦安市)は11と12の両日、インドネシア代表チームと国際親善試合を北ジャカルタ・クラパガディンの「ブリタマ・アリーナ」で行った。初日は3―7で敗れたが、2日目は6―6で引き分けた。延べ3千人が会場で観戦し、両チームの奮闘に声援を送った。
Fリーグのクラブチームがアジアサッカー連盟(AFC)主催競技大会以外で、海外遠征をするのは初めて。アジア各国で「言葉」を通じた社会貢献活動に取り組む日本のNPO法人クロスワイズ(XYZ)との共同事業で、チーム名を「チームクロスワイズ・バイ・バルドラール浦安」とした。
初日の試合は開始早々、前半1分に小倉勇選手がゴールを決めたが、相手のカウンターで7分に得点を許し、14分には逆転された。確実なプレーに徹するインドネシア代表はその後も得点を重ね、浦安を大きく引き離す。浦安は終了間際の38分に中島孝選手が決めた得点が、最後の見せ場となった。2日目は前半、インドネシアにリードを許しながらも、終盤に巻き返し、引き分けに持ち込んだ。
元日本代表主将の小宮山友祐選手は初日の試合後、「(代表として)10年前に試合したインドネシアと比べ、全く違うチームになっていた。カウンターも早く、精度も高い」と評価した。インドネシアのダダン・イスカンダル監督は「アジアの中でもレベルの高い日本のチームと対戦でき、多くの教訓と価値ある経験を得た」と話した。
スタンドには両国の観客が訪れ、シュートが放たれるたびに、大きな歓声を上げた。自身も会社のフットサルサークルでプレーするという堀川泰さんは初日の試合を観戦し、「フットサルの盛んなインドネシアに日本のチームが来ると、日本に親しみを持ってもらうきっかけになる」と話した。谷崎泰明駐インドネシア日本大使らも観戦に訪れた。
試合の模様は両日とも民放MNCTVで生中継された。(道下健弘、写真も)
地元学校でふれ合い 漢字体験や交流試合 浦安とNPO法人「XYZ」
バルドラール浦安とNPO法人クロスワイズ(XYZ)は9日からの遠征で、インドネシア代表チームとの親善試合のほかに、地元学校などを訪問。日本語や折り紙などの文化を紹介するワークショップや、フットサルの試合を通じて交流を深めた。
幼稚園児から高校生までが通う「プンディディカン・カルティニ・ヌサンタラ」(中央ジャカルタ・クマヨラン、理事長・グナリヤ・カルタサスミタ元日本留学生協会=プルサダ=第4副会長)で10日に開いたワークショップには、園児・児童約170人が参加した。選手らは、文字をなぞって練習できる教材を使い、「山」や「木」「川」などの書き方や読み方について説明。「羊」「鳥」などの象形文字を、イラストと適合させるクイズも出題し、子どもの興味を引きつけた。
この学校は、公立学校に通えない貧困家庭の子どもを多く受け入れており、グナリヤ理事長は「小さな子どもが日本に関わる機会はめったにない。日本について勉強する動機付けになったのではないか」と話した。参加者に絵本を寄贈したXYZの横井恵子理事長も「日本について小さな思い出をつくってくれれば、うれしい」と振り返った。
11日の親善試合前には、東ジャカルタのダルマ・プルサダ大学で、近隣の子ども約50人を招き、漢字の書き方教室などを開いたほか、同大学フットサル部男女チームとそれぞれ試合で交流。12日には在留邦人のフットサル愛好者らと、ゲームなどを通じた交流の機会を設けた。