年金保険料、月給の8% 企業が5%負担 外国人も加入義務づけか 7月から導入

 社会保障機関(BPJS)のうち、労働部門を担うBPJSクテナガクルジャアンは、7月から新たに年金プログラムを導入する。毎月収める保険料は月給の8%とし、負担内訳は事業主(企業)5%、労働者3%とする計画。年金プログラム政令の草案には、加入対象には「6カ月以上働く外国人労働者も含む」と記されている。外国人の加入を義務づけたBPJSのプログラムは他にも多数あり、インドネシアで働く邦人、また邦人を雇う企業にとって保険料の過度負担が懸念される。

■労使に残る不満
 BPJSクテナガクルジャアンが現在、民間労働者を対象に実施している保険プログラムは(1)労災(2)老齢給付(3)死亡、の三つ。7月には国営保険ジャムソステックからもこれら保険が完全移管、一本化される。
 さらに四つ目の年金プログラムも開始する。政令の草案には、老齢、障害、遺族などの年金が盛り込まれている。
 現行案では、毎月の基本給と手当を合わせた額を、保険料の算定基準とする。受給資格は加入年数が最低15年で、開始は老齢年金が56歳以降、障害年金は全体的な身体障害者になった場合、などとしている。毎月支給。
 ハニフ労相は8日、労働省幹部とBPJSクテナガクルジャアン役員による調整会議を開き、保険料の算定方法と率を決めた。年金プログラム政令案もとりまとめ、法務人権省に提出し法的手続きを待っている。同相は、プログラム策定には国家社会保障委員会、財務省、金融庁(OJK)などから合意を得る必要があり、長い時間を要したと振り返った。
 年金保険料の負担率については、経済団体のインドネシア商工会議所(カディン)と全国労組幹部の双方から不満の声が上がっており、7月実施には不確定要素も残る。

■労働許可の規制に
 BPJSクテナガクルジャアンが現在実施している労災、老齢給付、死亡の3保険だけでも、保険料は外国人労働者の場合、月給の6%近くに達している。さらに国民皆保険を目的としたBPJSクセハタンの医療保険の保険料ものしかかる。
 BPJS法(2011年第24号)には「6カ月以上インドネシアで働く外国人を含むあらゆる者は、社会保障プログラムの加入者になる義務がある」と明記されている。本来は労働者を守る目的の同法が、比較的給与が高い外国人労働者と外資事業主にとっては負担となりつつある。
 最近では同法を当局が拡大解釈し、外国人の就労許可申請にBPJS加入証明書の提出を求めたり、未加入を理由にビザ発行を拒否したりするなどの事例も起きている。(前山つよし)

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