自家発電所を建設 旭硝子 チレゴンの工場内で 生産コスト大幅減

 旭硝子は約4億ドル(約480億円)を投じて、現地法人アサヒマス・ケミカルのバンテン州チレゴンの工場敷地内に発電所を建設すると発表した。電力の大部分を自家発電で賄うことで大幅に生産コストを削減し、東南アジア全体に供給する製品の競争力強化を狙う。
 発電容量は250メガワット。インドネシアで豊富に採れ、政府も活用を促している低品位炭を高効率に燃焼でき、バイオマス燃料との混焼も可能な循環流動層ボイラ(CFB)方式の発電所とする。2017年の運転開始を目指す。
 アサヒマス・ケミカルは塩水を電気分解して基礎化学品を作るクロール・アルカリ事業を展開しており、生産コストに占める電気代の割合が高い。日本のクロール・アルカリ事業では電気代は生産コストの4割程度だが、インドネシアでは6割程度と特に高い。
 アサヒマス・ケミカルは今年末にはカセイソーダの生産能力が年産50万トンから70万トンになるなど生産設備を増強中で、「発電所を作っても十分採算がとれる規模の電力消費をする工場となった」(旭硝子広報)ため発電所建設を決めた。同社のこれまでの投資では最大規模だ。
 発電所で増強後のほとんどの電力を賄うことができ、コストは5割近くまで下がり、年間で数十億円のコスト削減になる見込みだ。国内から安価な石炭を安定的に調達することで、為替や原油の国際価格で電気代が大きく変動するリスクも緩和できる。
 自家発電や増産を決めた背景にはインドネシアの内需と東南アジアの需要増がある。アサヒマス・ケミカルが製造するカセイソーダは工業用に幅広く、塩化ビニル樹脂は水道管などに使われる基礎化学品。
 旭硝子は両製品の市場が東南アジアで年率5%程度成長するとみている。タイではカセイソーダを年間35万トンを生産。14年に買収したベトナム工場は塩化ビニル樹脂を年産10トンから15万トンまで増産予定だが、域内でインドネシアの需要が最も大きいため生産を集中させている。

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