富裕層10年で2.3倍 英コンサル 伸び率世界2位を予測

 英国の不動産コンサルティング会社ナイトフランクはこのほど発表した世界の富裕層の動向調査で、インドネシアでは2014年に650人の「超富裕層」がおり、24年までに約2・3倍に増えると予想した。伸び率ではベトナムに続き世界第2位となる見込みだ。                                  
 調査では純資産が3千万ドルを超える人を「超富裕層」と定義。14年時点では世界の17万2850人が該当する。世界の超富裕層は13年から1年間で3%増加しており、資産を合計すると20兆8千億ドルに上る。
 インドネシアでは、04年の195人から10年間で233%増の650人となった。24年までに132%増加すると予想した。
 24年までの伸び率予想では159%増のベトナムに続き世界第2位。コートジボワール(119%)、ベネズエラ(115%)、カザフスタン(114%)、モンゴル(110%)が続いた。
 ただ、24年時点で最も富裕層が多いと予想されるのは米国(5万767人)で、日本(1万9916人)が続いた。大挙して押し寄せる中国人観光客が日本などの旅行先で旺盛な購買意欲をみせ、注目を集めているが、中国の超富裕層は世界第3位の1万5681人と予想した。
 都市別にみると、24年までに超富裕層が最も増えるとしたのはシンガポール(1752人増)で、香港(1251人増)やニューヨーク(1013人増)が続いた。
 発展途上国で著しい伸び率をみせる富裕層だが、より良い環境を求めて拠点を国外に移す人も多い。純資産100万ドル以上の富裕層は03〜13年の10年間に中国から7万6200人、インドから4万3400人が流出した。インドネシアからも世界で6番目に多い1万人が流出した。
 同じ期間に流入が多かったのは英国(11万4100人)、シンガポール(4万5千人)、米国(4万2400人)だった。
 14年に世界で1844人だった純資産10億ドル以上の「億万長者」はインドネシアにもシンガポールと同数の24人おり、日本の26人とも大差なかった。

 ■国全体でも世界4位
 国全体でも成長が予想されている。会計大手プライスウォーターハウスクーパースは先月、50年までの各国の経済成長予測を発表。50年にインドネシアの国内総生産(GDP)は購買力平価(PPP)ベースで12兆2100億ドルとなり、中国やインド、米国に続き世界第4位と予測した。
 14年の2兆5540億ドル(国際通貨基金=IMF資料による)から30年に5兆4860億ドルに成長、5位につけ、日本(6兆60億ドルで同年4位)に肉薄する見通し。15〜50年の実質GDP成長率は平均で4・3%とした。(田村隼哉)

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