消費者の様子見響く 2月自動車販売 後半の回復に期待
自動車工業会(ガイキンド)が発表した2月の自動車販売台数(工場出荷ベース)は前年同月比で20.6%減の8万8738台だった。1月よりも販売台数は減少した。自動車業界関係者は販売台数の落ち込みを懸念するが、年間の販売台数を下方修正する動きは今のところない。
ガイキンドで統計などを管理するリドワン・アラムシャ副会長は16日、「経済成長が鈍化し、自動車需要に影響している」と指摘。トヨタの関係者は「経済の先行きに対する不透明感やルピア安、原材料価格の低下で、消費者が様子見をしているようだ。自動車各社も以前ほど新車を発表していないことも需要が盛り上がらない一因となっている」と分析。
日系自動車メーカー幹部は「現状で、販売目標を下方修正する予定はない」と述べた。工場からの出荷台数の抑制で、末端のディラーに滞留している在庫がはけていけば販売台数は次第に盛り返してくるとの見方で、下期、特にラマダン(断食月)明けの7月以降に需要が盛り返すとの期待が高い。
ガイキンドは通年の販売台数は前年(120万台)並みと予想している。
■ホンダ、日産が販売増
日産は新興国戦略車ブランドの「ダットサン」を昨年5月から販売を開始。1、2月ともに前年比で増加している。
ホンダは「モビリオ」の市場投入により、低価格帯のMPV(多目的車)シェア(市場占有率)を同車種で一気に2位に押し上げたほか、昨年から販売を開始した「HR―V」が好調で、低価格帯SUV(スポーツ多目的車)でシェアの過半を占め、首位を獲得。
低価格・低燃費車(LCGC)では、昨年と同様、トヨタやダイハツが上位を占めている。
今年の1〜2月の車種別販売台数では、昨年に比べピックアップ車やハッチバック車のシェアがやや上昇傾向にある。また、低価格帯を含めたSUVのシェアは昨年に比べ約2%増えた。
一方、低価格帯の小型MPVは昨年通年のシェア30%から約4%低下した。