Eコマース新規制策定へ 関連省幹部が会合
政府は年内にEコマース(電子商取引)の新規制を策定し、法整備を進める計画を明かした。法整備で今後の成長が期待される同分野と関連ビジネスの拡大を図る考えだ。
Eコマース業界に関連する省幹部らはこのほど規制策定のために会合を開いた。新規制について、事業内容や商品内容、決済方法、物流方法の四つの側面から検討する。
ソフヤン・ジャリル経済調整相は「Eコマース業界は急速に伸びているが、まだ業界に対し包括する適切な枠組みが整備されていない」と指摘。ルディアンタラ通信情報相も、Eコマースについてまだまだ途上段階と指摘し「例えば、事業許可の発行官庁など議論すべきことは多い」と語った。
同相によると、Eコマース業界のネガティブリストの扱いについても、議論の対象になっているという。昨年の大統領令(2014年第39号)で改正されたネガティブリストによると、通信販売やインターネットによる小売業に対し、外資の出資を認めていない。ソフヤン経済調整相は「資金不足が生じ、業界発展には逆効果」と指摘した。
インドネシア電子商取引協会(IDEA)のダニエル会長は、税金を納めずに取引を行っているSNS(交流サイト)使用の売買業者と税金を納めているEコマース企業との区別を明確にし、税金を納めていない業者への規制導入を求めた。
国内大手通信業者もEコマース事業に力を入れている。民間大手通信会社のXLアクシアタなどが昨年3月に立ち上げた通販サイト「エレベニア」は今年の売り上げを前年の3兆5千億ルピアから一気に5倍に増やす計画を立て、同分野の投資を強化する方針を示している。
国営通信テレコムニカシ・インドネシア(テレコム)が米電子商取引大手イーベイと共同で運営しているショッピングサイト「ブランジャ」のアウリアCEOは「(Eコマースの)潜在性は高いが、物流などの外的要因がビジネス拡大を阻害している」と指摘した。今回の新規制の策定により、Eコマース業界全体の底上げが期待される。
IDEAは、インドネシアでのEコマース取引額が、13年の94兆ルピアから16年は約3倍の295兆ルピアに拡大するとみている。