外国人就労、徐々に厳格化 労働省 語学試験は調整中

 労働省幹部は13日、就労ビザについて、外国人労働者雇用計画書(RPTKA)取得の過程を短縮し、外国人の労働者雇用許可(IMTA)もシステムを変え、偽造を防ぐ内容に刷新する方針を明らかにした。学歴や年齢の制限が厳格化する中、インドネシア語の語学試験は実施に向け調整中とした。

 投資調整庁(BKPM)で13日、同庁や労働省が開いた就労ビザの説明会で明らかにした。BKPM、労働省、法務人権省から局長クラスがそれぞれ関連項目について講演。日系企業のほか、欧州や米国の商工会議所から海外企業幹部約400人が出席した。

■国際競争力向上に
 ハニフ・ダギリ労働相は先月、インドネシアで就労する外国人に、インドネシア語の語学試験を義務付けると発言。同相は2月に労働省大臣令(2013年第12号)を改正し、インドネシア語の試験を適用する意向を示した。
 試験内容については、インドネシア大学の言語研究機関と提携し、TOEFLと同じような外国人向けの形式とする。同相は「外国人労働者を排除する規制ではない。ASEAN経済共同体の中の国際競争でインドネシアが勝ち残るため」と強調した。労働省の外国人就労を担当するヘリー・スディルマント局長は、説明会で「語学試験の計画は進行中だ」と述べるにとどまり、実施時期など詳細は明かさなかった。

■学歴や年齢制限も
 金融庁(OJK)はRPTKAやIMTAのほかに、金融機関で働く外国人就労者に対し、「適性試験(フィット・アンド・プロパーテスト)」を実施し、就労が適性かどうかを判断している。日系保険業界幹部によると、「昨年から保険業界は役員だけでなく、全社員が同テストの対象になった。試験に落ち、就労できなかった人もいると聞いている」という。
 また、学歴要件の厳格化や60歳以上の就労を制限する動きが加速化。日本貿易振興機構(ジェトロ)ジャカルタ事務所の藤江秀樹シニア・ディレクターは「学歴の定義は比較的あいまい。60歳以上の就労については、大臣令などで明文化されているわけではない」と指摘する。
 人材紹介会社JACビジネスセンターの上田ぬ美子氏は「採用現場では、高卒や短大卒、60歳以上の採用は減少傾向」とし、上記の条件の雇用が難しくなっているという。
 労働省の調査によると、2014年の1〜10月までの外国人就労者は6万4604人。13年は6万8957人で、12年は7万2427人、11年は7万7307人と、年々減少傾向にある。
 今回の説明会に参加したBKPMの山崎紀雄投資政策促進アドバイザーは「関係各省庁が一同に説明をしたことが良かった。今後は日系企業向けに同じセミナーを組んでもらうように働きかけていく」と語った。(佐藤拓也)

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