「工場従業員独立で発展」 企業提携で競争力高める 経産省シンポで議論

 経産省主催の「インドネシア―日本、新しいパートナーシップシンポジウム」では、産学を支える経済人、研究者が出席し経済分科会が開かれた。その中のパネルディスカッションでは、日イがともに成長していくための課題と取り組みについて活発な議論が行なわれた。

 経済分科会には、熱処理などを手がけるシントー・ランス・インドネシア社の太田誠一社長とブリヂストン中央研究所の渡辺訓江研究第4部長、ダルマプルサダ大のオロアン・シアハアン学長、三菱電機オートモーティブ・インドネシアのトビ・シンギ・ゼネラルマネジャーが登壇し、日本貿易振興機構(ジェトロ)の松井和久氏が司会を務めた。
 パネルディスカッションでは、インドネシアの製造業の競争力を高めるために、どのように人材を育成するかについて議論。1976年からインドネシアの製造業に関わっている太田誠一社長は「技術的には日本より上の人がいる。ただ、組み立ての工場はあるが、原材料の加工技術がないことで能力を生かしきれていない」と指摘し、裾野産業の育成が必要と述べた。
 オロアン学長は「日本の高度経済成長時代は親会社が下請け会社に技術移転するなど、製造業全体を育てる慣習があった。インドネシアでこれから長い時間をかけて下請け会社を育てていては、今の国際競争のなかで優位性を保てない」と指摘した。太田社長は「下請け企業を育てるよりも、従業員が独立し、自分で工場を作ることで早期に産業発展につながる」と展望を述べた。
 さらに同氏は最近の傾向で、一部の日系企業が価格競争力を高めるため、安く部品を調達できる地場企業との提携を模索しており、今後日イ企業の連携が増えていくと分析した。
 トビ・ゼネラルマネジャーはインドネシアの製造業の環境について「設計図面の95%まで作成できれば良いという考え方が見られる」とし、「ものづくり」を愛する技術者の育成により、発展につながると主張した。
 別会場では政府関係者に限定した政府分科会が開かれ、日本貿易振興機構(ジェトロ)ジャカルタ事務所の富吉賢一所長や工業省幹部らが議論を深めた。 (佐藤拓也、写真も)

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