販路開拓の出会い求め 総合機械見本市が開幕 JIエキスポで6日まで

 第25回マニュファクチャリング・インドネシア2014が3日、中央ジャカルタ・クマヨランのジャカルタ国際展示場(JIエキスポ)で開幕した。世界35の国・地域から工作機械や工具類のメーカー約2500社が参加する総合機械見本市で、ジョコウィ新政権のインフラ投資への期待感もあって、初日からにぎわった。                        

 台湾、韓国、タイや欧米各国などが団体用のブースを出した。特に台湾、中国、韓国は積極的で、3万4千平方メートルの広大な会場の各地にブースを構えていた。
 日本は日本貿易振興機構(ジェトロ)が確保したジャパン・パビリオンに中小企業33社が出展し、製品への問い合わせや商談に訪れる人が途切れなかった。
 出展した1社、金属加工用の切削工具メーカーのセガワツールサービス(本社・群馬県太田市)は今回3度目の出展。同社の製品は車のエンジンに穴を開けるなど高精度の加工に使用する。瀬川剛央社長は「これまでインドネシアの販売代理店約30店とお付き合いしたが、品質とクオリティだけでは難しい面もある。でも今回はなんとか相手を決めたいと思っている」と語った。同社はベトナム、タイなどで事業展開しているが、信頼できる代理店との出会いは簡単ではない。
 近くに出展する中日本炉工業(本社・愛知県あま市)は真空熱処理炉のメーカー。近藤明・営業技術部課長は「まだ成約になっていないが、期待している」と言う。
 一方、同じくジャパン・パビリオンで出展するコムコ(本社・愛知県豊田市)はパイプを自在に曲げる機械を製造する。10年前に中国に進出して以来の海外展開で、今年10月、ジャカルタに駐在員事務所を開いた。小栗裕之・チューブマシナリー事業部営業部次長は「インドネシアは成長が見込めるので、将来法人化して事業規模を拡大したい」と意気込む。

■「腰据えて人脈作りを」
 大阪市都市型産業振興センターのブースには同市の中小企業3社が出展した。その1社、神谷機工(本社・大阪市平野区)は2回目の参加。同社は金属を切る工業用刃物のメーカで、この4、5年海外の売り上げを少しずつ増やしてきたが、まだ全体の20%ほどという。海外事業担当の神谷宗孝製造部長は「ご縁があれば、いい代理店と巡り会いたい」。
 同産業振興センターの荻野賢一・海外展開支援プロジェクトマネージャーは「1回の参加ではなかなかうまく行かない、2〜5年は我慢して、腰据えて人脈を作ることが大事ではないか」と話した。
 中庭に特大のテントブースを出したオムロン(本社・京都市)は、終日、見学や商談に訪れた関係者でにぎわった。人間と卓球するロボットや車のナンバーを読み取る装置など、来場者は担当者の説明に耳を傾けていた。井垣勉・コーポレートコミュニケーション部長は「オムロンの総合力を一堂に見ていただきたい。卓球ロボットは機械が人に合わせてラリーする。人をおもてなしするという考えで、人と機械の未来を理解してもらえるのではないか」と話した。
 インドネシアでは近年、人件費が高騰している関係で、工場の自動化の需要増を見込んで事業拡大を目指す三菱電機やTHKも、単独で目立つ場所にブースを出し、来場者の質問に応えていた。 (臼井研一、写真も)

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