「経済、課題多い」 成長鈍化 三つ子の赤字 格差 地元紙が一斉報道
ジョコウィ大統領が就任した20日、地元日刊経済紙各紙は一面トップで歓迎しつつも、経済分野に関しては困難な課題が多いと指摘した。
インベスター・デイリーは「経済成長の鈍化」「三つ子の赤字」「格差」を新政権が直面する三つの課題として挙げた。
特に「経済成長鈍化はジョコウィ・カラ政権が直面する最重要課題」と指摘。
同課題を裏付けるデータとしては、今年上半期の実質国内総生産(GDP)成長率は5.2%と昨年の5.8%から落ち込んだ事実がある。
専門家の言葉として、貿易赤字・経常赤字・財政赤字の「三つ子の赤字」については、付加価値を高め、輸出先を多様化して輸出額を増やし、現在、輸入に頼っている製造業などを育て国内生産に切り替えることで輸入を減らすよう促した。
歳出の17%に上る344兆7千億ルピアのエネルギー補助金や、公務員の賃金減も主張。投資やインフラ整備に割り当てるべきだとした。
外的な懸念要因として、米連邦準備制度理事会(FRB)の量的緩和第3弾(QE3)が、今月にも終わりを迎えるとの見込みを指摘。来年には利上げに向かうとみられる情勢が、ルピア安圧力につながるとした。格差についてはジャワ島とそれ以外の島、首都圈とその他の格差、農業や製造業など業種別の所得格差の解消を求めた。
ビスニス・インドネシアでは、カディン(商工会議所)のナスチル・マンシュール氏が「高コストの経済や、雇用、縦割りの省庁、金利の問題に焦点を当てるべき」と要望した。
コンタンも現在の状況を考えると、「重い仕事であり、公約実現は困難」と指摘。一方でルピア安により、打撃を受けたテンペ・タフ生産者組合のアイプ・シャリフディン議長の言葉として「ジョコウィは庶民出身だ。我々のために働いてくれると信じている」との期待を報じた。(堀之内健史)