過去最高 73機関参加 留学生の就職支援もアピール 第21回日本留学フェア
インドネシア人学生へ日本留学に関する情報を提供する第21回日本留学フェア(主催・日本学生支援機構=JASSO)が18日、東ジャワ州スラバヤのシェラトン・ホテル・スラバヤで、19日に中央ジャカルタのジャカルタ・コンベンションセンター(JCC)で開かれた。参加機関は昨年の68から過去最高の73に増えた。経済成長を続けるインドネシアの学生獲得への関心の高さをうかがわせた。
留学フェアには大学51校、専門学校・日本語学校18校、交流センターや留学サポートセンターなど5機関の計73機関が参加。所狭しと並ぶブースに中高生や大学生、保護者や学校の教員などが押し掛けた。ダルマプルサダ大学に通うエリサさんは「日本へ留学して日本で就職したい」と学校案内のパンフレットを集めていた。
元日本留学生協会(プルサダ)のラフマット・ゴーベル会長は開会式で「日本への留学で私の人生は大きく変わった。皆さんも留学する際には日本語だけでなく、日本に受け継がれてきたモノづくりなどの日本文化、精神を学んでほしい」と経験を踏まえながら話して激励した。
■「静岡で就職して」
静岡大学は来年度から導入する産官学連携プログラム「静岡・アジアブリッジ・プログラム(ABP—SU)」をアピールした。インターンシップや経営者を講師として招くなどして県内企業と協力。県内の国際交流団体などと交流活動を実施し、自治体とも共同でプログラムを提供する。
同大国際交流センターのライアン・優子准教授は「日本語と英語を解する留学生は母国へ帰国するか、東京などの大都市圏で就職してしまう。産官学で連携して、高度人材を育成して県内の企業へ就職してもらうことが目的だ」と話す。
京都大学は経済学部・薬学部・工学部・農学部など理系学部を中心に英語による入試、英語での学位取得で留学生誘致を進めてきた。現在留学生1300人のうちインドネシア人は約50人。国際交流センターの青谷正妥助教授は「インドネシア人学生は優秀な人が多い。今後もASEANを中心に留学生を増やしたい」と話した。
■初のイ学生獲得を
出遅れている大学もある。明治大学はインドネシアからの学部留学生はゼロ。2008年に設置し注目を集めた国際日本学部は中国や韓国の学生が圧倒的に多い。ASEAN諸国からはベトナム人4人、タイ人2人、ミャンマー1人、マレーシア人1人。タイに事務所を設置して誘致しているが、留学生増に結びついていない。学費を最大全額免除する奨学金も検討し、「インドネシアからまず1人」と意気込む。
南山大学は留学生の2割がASEAN諸国の学生。カトリック系大学ということもありインドネシア人は250人中3人のみ。今回高校を数校訪問し、まず大学について知ってもらう予定という。
親日国であることに期待する声も聞かれた。JET日本語学校(東京都)では9割の学生がアジア圏でうち7割が台湾。インドネシア人は全体の5%と少ないが、井上靖夫校長は「同じ親日であるインドネシアからも多くの学生を見込んでいる」と話す。全日制を導入し、大学進学と専門学校進学の希望に合わせてコースを選択。提携大学との交流やホームステイなどで文化交流にも力を入れているという。(西村百合恵、藤本迅、写真も)