外交現場、中学部が体感 JJSが大使館見学

 ジャカルタ日本人学校(JJS)中学部の3年生は15日、在インドネシア日本大使館を訪れ、大使館員が説明する外交の現場や体験談などに聞きいった。JJSが毎年、職業教育の一環として行っているもので、生徒たちは自らが考えた日イ友好・交流の企画も提言し、外交官顔負けのプレゼンテーションをした。

 赤松秀一総括公使がまず、国家とは何かに触れ、「なかでも独立して外交を遂行することが非常に重要」。大使館内には約200人が働いており、昨年開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議などでは、外交関係の橋渡し役を担ったなどと説明した。生徒たちは興味深げに耳を傾けた。
 日イ友好・交流の企画提案では、生徒たち73人が12班に分かれ、1班3分の持ち時間で、パソコンとプロジェクターを使い資料をスクリーンに映し出し発表した。内容は植樹活動やゴミ問題などさまざま。第3班は「食文化交流」をテーマに、日本ではインドネシアに触れる機会が少ないと捉え、食材を交換し調理を教え合い、新しい料理を創出する相互交流を提案した。
 生徒たちは「総合的な学習」授業や休み時間を使い、1カ月かけて企画を策定。館員らは「発表内容が順序立ててしっかり作られている」「コスト計算までしていて驚いた」と賞賛。合わせてアドバイスも与えた。
 職業体験談を聞いたり、担当官と分野ごとに懇談する場もあった。二等書記官兼一等空尉の関口雪風さんは、東日本大震災が起きた2週間後、宮城県石巻に入り給水作業をした体験を語った。「どんな仕事でも一生懸命に取り組むことが大切。そんな気持ちを言葉に込めた」と関口さん。分野別懇談では、インドネシア専門部門や防衛部門など五つに分かれ館員と交流。国家公務員部門では、生徒から「国家公務員になるには文系か理系、どちらが有利か」といった率直な質問もあった。
 進藤雄介公使は「インドネシアを知ることは、日本との違いを知ること。今後も文化を知り、言語習得に挑戦し、自分の視野を広げてほしい」と激励。生徒代表として3組の長谷川愛佳さんが「発表を真剣に評価してくださった。いただいたアドバイスは社会人になる時に役立てていく」と感謝を伝えた。(山本康行、写真も)

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