特別州、火災対策に苦慮 出火原因7割はショート

 ジャカルタ特別州が火災対策に苦慮している。今年は州内で、今月10日までの時点で837件(日刊紙コンパス調べ)が発生。出火原因で最も多かったのは電気回路のショートで、全体の68%余を占めた。州と国営企業の連携不足が消火を妨げるなど、課題が山積している。

 特別州内では住宅地が密集する東ジャカルタ区(225件)を中心に火災が相次いでいる。837件は1日に2.95件発生している計算だ。出火原因は電気回路のショートが最多の574件、ガスコンロの不適切な使用53件、たばこの火の不始末44件が続く。
 近年では2012年の1039件が最多で、13年には977件と減少したものの、今年は年間千件を超すペースになっている。
 スブジョ州消防局長はショートが多発する要因として、たこ足配線など規定に反する電気使用や、電線も国の規格を満たしていなかったり経年劣化したものを使用していると指摘。防災関係者からは「各家庭でのショートの危険性に対する認識が低い」との声が上がっている。また副因として気温が高いことも影響しているという。
 関係機関の連携にも問題がある。ショートが原因で火災が発生した場合、放水した水から消防隊員が感電する恐れがあるため、消火活動を始める前に送電を止める必要がある。ところが、国営電力PLNの職員が現場に来るのが遅れるため、消火活動を始められなかった例が少なくない。
 また、上水を供給する民間水道会社PAMとの連携にも問題があり、消火活動の途中で放水用の水が不足することもあるという。
 スブジョ局長は来年から3カ月に1回、防災訓練を地域で実施し、住民に防災意識を高めてもらう考えだが、具体的な訓練計画はできていない。(田村隼哉)

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