14年成長率は5.2% 世銀、予測を下方修正

 世界銀行は6日、東アジア太平洋地域の途上国の経済見通しを発表。インドネシアは2014年の実質国内総生産(GDP)成長率を通年で5.2%と予測し、4月時点の予測を0.1ポイント下方修正した。地域全体の成長率も、13年の7.2%を下回る6.9%とし、前年とほぼ横ばいとした4月の予測から0.2ポイント下方修正した。15年は「中国を除いて成長のペースが回復するだろう」としている。(田村隼哉)

 インドネシアの成長率は今年上半期5.2%(前年同期比)で、12年の6.3%、13年の5.8%から落ち込んだ。世銀は「顕著に減速した」とし、▽一次産品の価格下落▽政府支出が予測を下回った▽信用拡大の減速―などを原因として指摘した。国内投資も4.7%(同)の伸びにとどまった。
 近隣諸国ではマレーシアが14年上半期の輸出活況を受けて5.7%と、4月時点の4.9%から上方修正しているが、インドネシアは一次産品に依存していることが足かせとなった。
 政府支出は税収の伸び悩みや予算執行の遅延を反映して今年上半期の伸び率は1.1%(同)とほぼ横ばい。世銀は、歳入の確保と各種補助金の削減が必要だとし、財政を再建しながら生産性向上を目的とした投資拡大を図ることが課題だとしている。
 一方で個人消費は今年上半期5.6%(同)の伸びを示すなど堅調だった。総選挙や大統領選も影響したとみられる。
 15、16年の成長率についてはともに5.6%まで回復すると予測した。スディール・シェッティ東アジア太平洋地域担当チーフエコノミストは地元メディアに対し「(ASEAN諸国では)14年に減速傾向がみられるが、米国やEU、日本の景気回復にともない成長率が上向くだろう」との見方を示している。
 15年の東アジア太平洋地域の途上国全体でみた成長率は14年と同じ6.9%と予測した。中国が14年に7.4%、15年に7.2%と減速する一方、中国以外の各国は14年の4.8%から15年には5.3%に回復するとしている。
 ただ、中国経済が急減速したり、領土問題などで国際的な緊張が高まったりした場合には大きな影響を受ける脆弱(ぜいじゃく)性を抱えていると分析した。この場合、一次産品の輸出に依存するインドネシアは特に影響を受けるという。

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