SAKE人気高まる 需要伸びる日本の清酒 専門バーがオープン 認可手続きなど課題も

 日本食人気の高まりとともに、清酒(日本酒)の需要がじわじわと伸びている。ムスリムが多数を占め、認可に時間が掛かるなど市場拡大への課題は多いが、巨大市場を見据え酒造各社は売込みを強化している。                   

 入り口を抜けると清酒や焼酎、梅酒などが棚にずらりと並ぶ。インドネシアで初めての清酒をメインにしたバー「sake+」(南ジャカルタ・スノパティ通り)の開店式典が3日、開かれた。招かれた月桂冠の販売担当者は「ここまで清酒を前面に出すレストランは日本や他の東南アジア諸国でも見たことが無い」と驚いた。
 専門バー出店の背景には富裕層の中での清酒人気の高まりがある。飲食店経営のビモさん(48)は「日本食には『サケ』。のどにぐっとくる熱かんが好き」と話す。10年前に初めて清酒を飲んで以来、日本食を食べる時には欠かさないという。
 清酒輸入業者のスーザン・ハリムさんによると「富裕層は高級な物を求めており、清酒も大吟醸など高価格帯の商品がよく売れる」という。
 飲み方は冷やすのが人気という。大関の担当者によると、インドネシアではバナナやライチを混ぜてカクテルにしたものも好まれている。
 日本財務省の貿易統計によると、2013年の清酒輸出額でインドネシアは21位の4400万円。10年の2600万円からは順調に伸びているが、1位の米国(39億6千万円)に比べるとまだわずかだ。
 米国や東アジアの国々のほかシンガポール、タイ、マレーシア、ベトナムに比べても少なく、各社はまず、シェアではなく市場の拡大に力を入れる。

■認可に1年も
 日系の清酒輸出業者によると、市場拡大への一番の課題は、煩雑で時間がかかる認可手続き。商品ごとに販売許可を取る必要があり、申請から認可まで最速でも半年、長ければ1年ほどかかるという。
 高い関税も普及を妨げている。日本の価格の3倍以上になっており、「最終的には庶民にも広げたいが、現状では難しい」(月桂冠担当者)。富裕層も、日本食レストランで消費することが多く、家庭ではほとんど飲まないという。
 扱っているレストランでも従業員は「純米酒」「吟醸酒」などの分類を把握していないことが多く、清酒の知識もまだまだ浸透していない。各社は各レストランの従業員に清酒の分類や飲み方について教えて回る。大関担当者は「従業員が客に教えることで、清酒を知ってもらい市場拡大につなげたい」と話した。(堀之内健史、写真も)

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