街に響く国旗売りの声 17日独立記念日控え 69回目、お祝い準備始まる
17日のインドネシア独立記念日に合わせ、中央ジャカルタ・パサールバルのグヌン・サハリ通りで5日、露天商が紅白国旗「メラプティ」の路上販売を始めた。独立記念日は今年で69回目。毎年、この時期になると、各地で国旗などを売る露天商が繰り出し、記念日が近づくにつれ街中がメラプティ(紅白)に染まり始める。
国旗を売る露天商のタルソノさん(53)は、中央ジャカルタのトランスジャカルタバス停「パサールバル・ティムール」付近でリヤカーに旗などを乗せて売り歩く。タルソノさんは普段、パサールスネン敷地内で旗を売る商売をしているが、この時期は外に出て通りを歩き回る。大きい旗は5万ルピア、小さな旗は1万ルピアで売っている。携帯のストラップ用に人々が購入するという紅白色のクトゥパット(ちまき)型のキーホルダーは8千ルピアだ。
国旗の他にこの時期になるとよく売れるのが長さ約1メートルの竿竹。独立記念日は一家に1本、軒先に旗を飾るため需要があるという。「用意した50本のうち、夕方までに48本売れたよ」とタルソノさんは笑う。
同バス停付近で働くオジェック(バイクタクシー)の運転手たちもそれぞれの思いを持って独立記念日を迎える。ユヌスさん(24)は西ジャワ州ボゴール出身。昨年結婚したが妻を故郷に残して働いている。独立記念日は仕事を休み、「田舎に帰って奥さんと一緒に祝いたい」という。インドネシアの独立については「小学校くらいから歴史を授業で学んできた」と話し、「毎年、歴史を感じながら当日を迎えている」と話した。
ブディさん(33)の前職はアイスの露天商だ。24歳の時に中央ジャカルタ・タナアバンで始めた。26歳の時にはジョクジャカルタで半年ほど路上販売していた。「記念日にはジャカルタに負けないくらい、にぎわいを見せていた。特にマリオボロ通りは人でいっぱいだったよ」と振り返る。 1945年8月17日、約300年に及ぶオランダ植民地支配と日本軍政期後、スカルノ初代大統領が独立宣言。今年で69回目、記念日は国民意識を喚起するための休日となっている。(山本康行、久保河内香奈)