西部第2外環道、きょう全線開通 2時間が35分に短縮 ポンドックインダ〜空港
22日午前0時、ジャカルタ西部第2外環道(JORR・W2)のウルジャミ〜チレドック間2キロが開通する。これにより、JORR・W2は全通した。スカルノハッタ国際空港やタンジュンプリオク港、首都南西部に向かう車が分散、中心部の渋滞緩和につながることが期待される。
ジョコ・キルマント公共事業相は21日、新区間について「約2キロと短距離だが、大切な役割を果たしていくだろう」と語った。
南ジャカルタ・ポンドックインダに住むリリアニ・ハリヤニさんは、開通を待ちわびていた。リリアニさんはスカルノハッタ空港に向かう際、従来は市内にある西ジャカルタ・スリピ料金所で首都高速道路に入り、北上しプルイット料金所を通過、空港に着くというルートを通っていた。所要時間は2時間以上。スリピ料金所付近とその高速道での渋滞がひどい。南部地域の車が、市中心部や空港を目指し密集するためだ。
しかし、同外環第1(JORR・W1)などを経由すると空港まで35分ほどの所要時間で済む見通し。
国営高速道運営ジャサ・マルガによると、JORR・W2の利用者が増えると、スリピ料金所付近の渋滞も25〜30%緩和できるという。
■「割高でも使う」
利用料金はどうか。リリアニさんの場合、従来の都心部経由だと、スリピとプルイットの料金所で計1万3500ルピアを支払う。一方JORR・W2を利用する場合には、ポンドックインダとクボンジュルックの2料金所でそれぞれ8500ルピア、パンタイインダ・カプック料金所で5500ルピアの計2万2500ルピアだ。空港までの料金が9000ルピア割高になる。
ウルジャミ料金所付近に住む男性運転手は「空港に行く場合、都心部で渋滞があれば時間もかかるしガソリン代も食ってしまう」と話し、割高でもJORR・W2を利用するつもりだ。
西ジャワ州チカンペックの倉庫と北ジャカルタのタンジュンプリオク港間でトラックを運行する日系物流会社関係者は「開通で1往復に1日かかることもあるほどひどい渋滞が、少しは緩和されるのでは」と期待した。
JORR・W2はクボンジュルック〜ウルジャミ間の全長7・67キロ。総工費は約2・2兆ルピア。1970年代に構想し、2013年12月末までにクボンジュルック〜チレドゥック間(6・2キロ)の建設が終了。残すは、ウルジャミ〜クボンジュルック区間のみだった。(堀之内健史、山本康行)
沿線開発が加速
ジャカルタ西部第2外環道の開通で、西・南ジャカルタから、北ジャカルタやスカルノハッタ空港へのアクセスが飛躍的に向上し、沿線開発が加速しそうだ。
ジャカルタ特別州は1986年に西ジャカルタのクボンジュルクやプリインダ周辺など135ヘクタールを商業特区に指定したが、スディルマン通りなど中心部に比べ、アクセスが悪く、開発がなかなか進まなかった。
しかし、開通を見越して、すでに住宅や商業施設の需要が高まり、不動産価格が上昇していると話すのは、不動産会社リーズ・プロパリティ・インドネシアのヘンドラ・ハルトノCEO(最高経営責任者)。同氏はコンパスコムの取材に対し、開発が進みそうなのはTBシマトゥパン通り、ポンドックインダからクボン・ジュルック、プリインダなどと指摘。
チプトラグループはクボン・ジュルックの7・5ヘクタールに5兆ルピアを投じて10棟のビルを建てる開発計画を進めている。リッポーカラワチやアグンスダユ、ゴールドランドグループもホテルやマンション、商業施設の開発を予定している。
カプックなどでは、北ジャカルタの所得が高い層が住むエリアとつながることにより、沿線の商業施設の売り上げが増えることも考えられる。