東ブリトゥンでリゾート計画 日イ企業家ら45人が視察 環境配慮のスマートシティ構想も バスリ知事が関係者招待
バンカ・ブリトゥン州東ブリトゥン県が、同島東側を開発しリゾート化させる計画を進めている。同県のバスリ知事は5日、日イの投資家らを招き、開発予定地の視察にまわった。国営バンク・ヌガラ・インドネシア(BNI)に駐在する銀行員や、日本とインドネシアの企業家ら45人が参加。退職者層が関心を寄せる観光地を念頭に将来的にはスマートシティ(環境配慮型都市)構想を掲げ、持続可能な都市作りを目指す。
■まずホテル建設へ
首都ジャカルタから北に飛行機で1時間ほどに位置するブリトゥン島は人口約26万人ほどの小さな島。ブリトゥン島西部側にはホテルなどが建てられた観光地があるが、開発予定地の東ブリトゥン県は西側に比べ資本が入らず広大な自然と地元住民の生活が根づいている。バスリ知事は「まずホテルを作り、当地に長期滞在を可能にする」と開発に先駆けてホテル建設事業を進める方針だ。3800平方メートルの敷地内に150部屋のホテルを建設。初期投資費用はホテル建設費1500万ドルを含め合計5千万ドルほどで考えているという。その後インフラや教育、水産業などの事業開発を進め、環境に配慮した都市作りを予定する。
■日系企業の参画を
今回、BNIを視察に招いたのは、BNIに駐在する銀行のネットワークを活用し日本各地から投資を呼び込む狙いがある。滋賀銀行取引先で建設事業を手がけるオオバ(東京都)の海外業務室・畑中太郎係長は「実際に現場を見てイメージが広がった」と興味を示した。ホンダの現地合弁パートナーのプロスペクトモーターのクスナディ・ブディマン社長は「日系企業の技術力は素晴らしい。ともに壮大なプロジェクトを実現させたい」と話し、「環境に配慮したスマートシティを東ブリトゥン県で開発し、他地域でも進められているスマートシティの先駆けとしたい」と意気込む。
■大手も注目
ブディマン社長のほか、大手日系企業も今回浮上したリゾート計画に熱い視線を送る。パナソニック社製品の販売を手がけるゴーベル・ダルマ・ヌサンタラの田口忠晴社長は「プロジェクトに全面的に協力していきたい」と同事業に注目。今後はインドネシア日本友好協会(PPIJ)理事長のラフマット・ゴーベル氏と共に事業に参画するとしている。(佐藤拓也、写真も)