ラマダン控え、価格乱高下 鶏肉上昇、赤唐辛子は暴落 政府が価格安定策 

 28日から予定されるラマダン(断食月)からレバラン(断食月明け大祭)にかけ食料需要が増加するが、すでに食料価格が全国各地で乱高下している。物流費も上がり、業者の価格つり上げなど指摘される一方、赤唐辛子の価格が急落、ストライキを起こす農家が出始めている。政府は価格の安定や交通網の整備など、ラマダン期間中の対策を進めている。  
  ■4品目が価格上昇
 ハイルル・タンジュン経済調整相は24日、全国で鶏肉、鶏卵、赤タマネギ、ニンニクの価格上昇が始まっていると明らかにした。商業省の市場調査によると、ジャカルタ特別州内では23日までに鶏肉が16日比で3.07%、赤タマネギが2.78%価格が上昇した。首都では州政府が備蓄を十分に用意しているため、価格上昇幅が小さいが、地方では高騰し始めている。
 東ジャワ州では魚介類が16日に比べ約2倍に高騰。乾期にもかかわらず悪天候が続いたことが価格上昇に拍車をかけている。油や砂糖なども上昇。東ジャワ州政府は鶏肉を39.57トン、卵を220.093トン供給することで価格を調整する。全体的な物価上昇も懸念され、アグス・マルトワルドヨ中銀総裁は20日、「インフレ率は4.5%の前後1%ほどで調整したい」と述べた。一方、ハイルル経済調整相は24日、食料価格の目安となる赤唐辛子の価格が通常1キロあたり6千ルピアだが、3千ルピアまで急激に下がっていると話した。悪天候で物流費は上がり、採算がとれないとして農家が補償を求めストライキを起こしているという。ハイルル調整相は「原因を究明し、早急に対処したい」と述べた。
■3000万人移動、交通網の整備
 ラマダン後のレバランに向け、政府は交通網の整備も進める。帰省する市民のために、鉄道や空港で増便を計画。バンバン・スサントノ運輸副大臣によると、今年のレバランには3千万人超が移動すると予測し、国鉄で32両を増やす計画という。空の便は外資航空48便、ガルーダ航空など国内航空会社も62便の増便を要請している。
 レバランの帰省には、1月の豪雨で損壊した主要道のジャワ北岸道の補修も必要で、地元メディアによると、補修が遅れていた西ジャワ州インドラマユ〜チルボン間も80%が完了したという。(高橋佳久)

156兆ルピアの新札準備
 中銀はラマダン期間中に新札を供給する。ロナルド・ワアス中銀副総裁は、156兆ルピア分の新札の用意があると話した。レバランやラマダン期間中には日本のお年玉のようにお金を配る習慣があるうえ、大統領選挙を来月9日に控えているため、昨年よりも10〜15%ほどの需要増が見込まれているという
 中銀ジョクジャカルタ支部では昨年から34.6%増の3兆5千億ルピアを準備。アリエフ・ブディ・サントソ副支部長は「国民の購買意欲の高まりに応じて準備した」と話した。

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