中国人観光客が大幅増 直行便やウェブ効果 4月統計
中央統計局(BPS)が2日に発表した今年4月の外国人観光客数は前年同期比12.41%増の72万6332人だった。今年に入り、昨年比を全て上回っており、今年1月からの合計では294万7684人(前年同期比10.64%増)。国別では中国からの観光客数が豪州を抜き3位に上がる一方、日本からの観光客は5位まで落ち込んでいる。
国別に見た1〜4月の観光客数は1位がシンガポールの46万3924人、マレーシアが41万3504人の2位で、中国は32万4344人だった。豪州に次いで日本は5位だった。
マリ観光創造経済相は「中国からの観光客は2年ほど前から日本を上回る勢いで、現在は豪州をしのぐ勢いで増えている」と指摘。中国は前年同期比で30.42%増加、13年通年では前年比で中国からの観光客は9.3%増の約75万人に達した。中華航空の直行便が増加していることが影響しており、特にダイビングなどのスポーツを目的とした若い世代の観光客が増加している。インドネシア政府は昨年、中国語の観光ウェブサイトを開設した。
地域別4月の観光客数ではバリのングラライ空港が依然トップで27万7925人、前年同月比で16.09%増。最も増加したのはロンボク国際空港で5413人で同137%増だった。
インドネシアへの観光客は一貫して増加しており、インドネシア政府は目標の950万人を超え、14年の観光客は1千万人を超える勢いになるとしている。観光客が増える一方で、インフラの整備不足や観光地のサービスが行き届いていないとの指摘もある。
イスラム諸国も急増
政府はイスラム系国家間でのビザ免除も検討している。マリ観光創造経済相は2日、ジャカルタで開かれたイスラム協力機構(OIC)主催の観光促進フォーラムに出席し、加盟国間でビザを免除し、観光分野の協力を促進することを提案した。同相によると、12年のイスラム観光の消費額は1370億ドル(巡礼を含まない)。
BPSの統計ではOICの加盟国4カ国からの観光客が急増している。この4カ国が増加率トップを独占し、バーレーンが前年同期比73.56%増、次いでサウジアラビアが54.42%増、アラブ首長国連邦が49.58%、エジプトが38.07%だった。
インドネシア政府は昨年、イスラム学者会議(MUI)と協力し、シャリア観光のガイドラインを作成。ホテルなどの宿泊施設、飲食施設、旅行代理店やスパなどの娯楽施設の4項目を整備の重要項目に指定した。(高橋佳久)