3年連続で減少へ 工業団地の売却面積 開発地域が東へ
工業団地協会(HKI)によると、今年売却される工業団地の用地面積は3年連続で減少する見通しとなった。ここ数年で自動車などの大型工場建設が一段落。最低賃金が上がったり、用地が埋まったりして、開発地域が首都圏から東へ移っているという。
■落ち着く首都圏
同協会のサニー・イスカンダル会長がこのほど、経済紙ビスニス・インドネシアの取材に対し明らかにした。今年売却される工業団地の用地面積は前年比100ヘクタール減の350ヘクタールになるとの見通しを示している。
3年連続の減少で、2011年実績(1200ヘクタール)の3分の1以下まで落ち込むことになる。
サニー会長によると、用地に広い面積が必要な自動車関連の工場建設が減少傾向にシフト。昨年から始まった低価格・低燃費自動車(LCGC)プログラムでは、部品の現地調達率の規定があり、部品メーカーの進出ラッシュがあったが、今年以降は落ち着くと予測している。
今年第1四半期に首都圏で売れた工業団地の工場用地は60ヘクタール。最近は賃金の上昇を受けて、労働集約型産業を中心に中部ジャワ州や東ジャワ州へ移転する企業が増えている。
中部ジャワ州の同期の売却面積は20ヘクタールでスマランやクンダルに衣服や繊維、食品、飲料メーカーが工場を建てた。35ヘクタールの売却用地があった東ジャワ州では食品、飲料のほか、生活用品などの消費財を製造する工場が多かった。
■ブカシなども飽和状態
「ブカシは(工場用地で)完全に埋まっており、カラワンもほぼ完全に埋まっている」
サニー会長によると、カラワン県は2万ヘクタールの工業団地の開発を許可している。その6割の土地で開発計画が進んでおり、多くは自動車関連の工場となる見込み。
工業団地は首都近郊から順次開発され、工場用地は東へ移ってきている。現在開発が進むのは西ジャワ州スバンやチマラヤ。来年には同州のチカンペックと東端にあるチルボンを結ぶ高速道が開通予定で、物流環境の改善が期待されることから、工場建設の需要はますます高まるとしている。