国内LCC2社が買収交渉 15年の航空自由化控え 政府、国内保護必要

 2015年のASEAN経済共同体発足による航空自由化を控え、国営ガルーダ航空LCC(格安航空)子会社シティリンクはLCCのタイガーエア・マンダラを買収する交渉を進めている。各国LCCとの競争に備えるためで、事業拡大と経営体質の強化が急務になっている。インドネシア政府は国内航空会社の保護策をとる。 
 共同体発足に際しては、ASEAN域内航空網での輸送や路線制限が撤廃される。2013年のインドネシアLCC市場シェアはシティリンクが10%(乗客者数530万人)、マンダラが4%(同190万人)と低迷し、両社の13年損失額は膨れ上がった。シティリンクは現在、マンダラを所有するタイガーエア(シンガポール航空傘下のLCC)と買収する交渉をしている。会社統合を狙っている。シティリンクのアリフ・ウィボウォ社長は「(国内市場シェアが低い)我々が協力することは有益だ。マンダラの国際・国内路線やパイロットを引き継ぐ方針だ」と前向きな姿勢を示した。
 13年国内LCC市場は、LCC国内大手のライオンエアと傘下のウィングエアで72%(同3770万人)、インドネシア・エアアジアが14%(790万人)と計86%を2社が独占している状況で顧客獲得競争が激化している。LCC利用者総数は5280万人。
 ライオンエアは15年の域内航空市場の自由化に備え、昨年、タイにタイ・ライオンエアを設立。先月からは北スマトラ州メダン〜タイ・ハートヤイ便の就航を開始した。子会社のバティックエアは3月、ジャカルタ〜シンガポール便を含む国際線13便を新設し共同体域内市場で事業を拡大する。
 一方、マレーシアのLCC大手エアアジアのトニー・フェルナンデスCEO(最高経営責任者)はインドネシア市場でのシェア拡大を目指しており、「航空自由化による競争を歓迎する。インドネシアの市場規模は魅力的だ」と強調。先月にはマレーシア・ジョホールバル〜ジョクジャカルタ、ロンボク便を開設した。
 航空自由化に備え、運輸省は外国籍の航空会社には国内26の商業空港のうち、ジャカルタ、スラバヤなど5の主要空港の使用しか認めない方針だ。同省のバンバン副大臣は国内航空会社の保護が必要だと指摘した。
 ASEAN航空市場は15年までに年12%のペースで成長し、域内航空利用者数は年間1億人に増加するという。(小塩航大)

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