先端技術の学術拠点 スウェーデンと連携 国際大学開校
スウェーデン政府と同国の大学と連携し、最先端の食品や生命科学を学ぶ学術拠点にしようと、東ジャカルタ・プロマスに6日、インドネシア・インターナショナル・インスティテュート・フォー・ライフ・サイエンス(i3L)が開校した。4年制大学で1期生には日本人を含む外国人が30%を占め、国際的な環境で新しい時代を切り開く人材を育成する。設立には両国の企業が出資している。
i3Lはスウェーデン農科学大学とカロリンスカ大学と提携。奨学金を得て、堤携大学に留学するプログラムもある。総勢40人の講師陣はスウェーデン人、インドネシア人が半々という国際的な環境が魅力だ。 今年9月に入学が決まっている170人の学生のうち約70%がインドネシア人で、中国人や日本人も入学する予定という。学費は4年間で約2億5千万ルピア(約220万円)。
プログラムは食品科学・栄養学、DNA・科学技術の2つに分かれ、産官学の連携も強化する。キャンパスでは9月まで、スウェーデンの20の企業が参加し、通信情報技術やクリーンエネルギー技術などに関する展示会を開く。
同大のニコラス・アドラー理事長は「キャンパスで最高レベルの技術を学ぶことができる。大学では起業に関するプログラムが豊富にある。生命化学の知識を有した起業家を育成したい」と抱負を述べた。
開校式には科学技術応用評価庁(BPPT)の高官や、エワ・ポラノ駐インドネシア・スウェーデン大使、同国の企業幹部らが出席。同大使は「両国関係は近年緊密なものになってきており、さらに関係を強化するための学術拠点として発展していってほしい」と述べた。
スウェーデン政府は同日、インフラ分野に関する協力体制を構築するため、インドネシア政府とインフラストラクチャー・パートナーシップを締結した。これに絡み、ジャカルタ特別州政府はスウェーデン・カプチ社と協力し、渋滞対策として電子課金システム(ERP)の導入を検討している。
また同州政府は、スウェーデンのトラック・バス大手スカニア社からトランスジャカルタ向けの新車両の調達を計画。8日にはモナス(独立記念塔)で同社の試作車を一般公開する予定だ。
(藤本迅、写真も)