「グローバルな視点を」 JJS校長 斎藤稔さん
ジャカルタ日本人学校(JJS)の校長に齋藤稔さん(55)が着任した。10年以上前にバリ島を訪れたことはあるが、ジャカルタは初めて。横浜生まれ、横浜育ちの生粋の「浜っ子」。32年間の教員生活もずっと横浜だった。「いつか海外の学校に勤務したい」。長年の思いが実現し、妻とともに赴任した。
「限られた任期で学校や子どもたちのために何かを残したい」。JJSの改革に意欲を燃やす。「児童・生徒が授業や行事に自主的に取り組んでいる。教員は自分で教材を見つけ、毎日工夫しながら教えている」。それぞれの自主性をさらに生かすために中期の経営方針を立てた。JJSの「学校教育目標」や「目指す子どもの姿」を基に、教員が一丸となって子どもたちの学習意欲を高め、豊かな発想を育てることを目指す。
勉強の理解を深めるため、算数や英語の授業で教室を二つに分け、理解度別に指導する。児童・生徒一人一人が授業に参加し、質問できる環境にするのが狙いだ。「授業こそが子どもたちの発想を支える知恵を与えてくれる」
国語の授業では、新聞を用いる学習方法「NIE」を取り入れるための話し合いを進めている。記事を読んで議論し、文章力を高めるために活用したいという。「総合的な学習」では校外に出てインドネシアの文化に触れる機会を作り、グローバルに物事を考えられるようにする。「日本に帰ってもJJSの授業での経験を生かしてほしい」
インドネシアの印象は「人が温かい。争うのではなく、受け入れるという感じの国民性が心を打つ」。ポンドックインダなどに買い物へ行くと、同じようにショッピングモールが多い横浜を思い出すという。
学生時代はバレーボールに熱中したが、現在の趣味はゴルフ。「インドネシアで働く保護者たちと、ゴルフ場など学校外でも交流を深めていきたい」(山本康行、写真も)