スラバヤ観光地図を作成 学生ガイドと散策も アイルランガ大日本研究学科3回生
「スラバヤを日本人に紹介したい」。東ジャワ州スラバヤ市の国立アイルランガ大人文学部日本研究学科の3回生らはこのほど、日本語でスラバヤ観光地図を作成した。日本人観光客に観光情報を提供し役立ててもらう目的だ。学生が観光ガイドを務め市内を案内する計画もある。
観光地図にはタバコ博物館「ハウス・オブ・サンプルナ」や「英雄記念塔(トゥグパラワン)」といった市内の観光名所約20カ所の場所や営業時間、料金を掲載している。写真や説明を加え、初めてスラバヤを訪れた観光客が市内の広範囲へ足を運べるよう工夫した。
折りたたみ式で、サイズ(横10センチ・縦20センチ)も小さく持ち運びに便利だ。グルメ情報も豊富で、インドネシア料理や日本食の情報もある。目的地をスラバヤ市民に尋ねる際は、地図を見せて行き方や交通手段を助言してもらえる。タクシー会社や両替商、病院などの連絡先も掲載し重宝できる。
スラバヤ市には英語地図はあるが、日本語地図はなかった。日本人観光客数も少ないのが現状で、観光地図でスラバヤの認知度を高める狙いもある。在留邦人からは日本語で情報を入手したいという要望が多く、「生活にも役立つ」と好評だ。
同学科3回生らは昨年9月、地図作成の実行委員会を立ち上げた。デザイン班、翻訳班、編集班などに分かれ、現場に行き情報を集め、レイアウトを決めた。半年を費やし今年3月に完成させた。実行委員会のラムディニ・ヌル委員長は「日本人が見やすいよう意識して作成した。作成を通じて私たちがスラバヤを知る機会にもなり満足している」と話した。
同大にJICA(日本国際協力機構)から青年海外協力隊として派遣されている清水千恵さんは、学生らが日本人と交流し日本語を積極的に使う環境をつくっていきたいと話し、「学生が主体になりスラバヤを発信していくよう促したい」と語った。
地図は2千部印刷し、スラバヤ市観光局や東ジャワ日本人クラブ(EJJC)などに配布した。観光局関係者は地図の完成度の高さに驚いていたという。来年は地図の改訂版をつくる計画だ。
問い合わせは同大日本研究科(☎031.503.5676、メール japano
logyunair@yahoo.com)まで。
■模擬ガイド実施
清水さんは、学生が日本語で案内する観光ガイド役を務める計画を立てている。同学科の学生4人は18日、スラバヤの在留邦人2人を対象に模擬ガイドツアーを実施した。
観光地図を見ながらスタート。市内最大のモスク「スナン・アンペルモスク」や仏教史跡「四面仏像」といった名所を案内し、日本語でガイドした。参加した野宮雅晴さんは「普段足を運ばない場所を散策することができた」と満足した様子だった。ガイドしたラムディニさんは「日本語で上手に説明できなかったが、この経験を次につなげたい。日本人に喜んでもらえるガイドを目指す」と意気込んだ。(小塩航大、写真も)